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2009年10月31日 (土)

タイヤ交換 ダンロップ クオリファイアー2 (Qualifier II)インプレ ZRX1200R

ZRX1200Rのタイヤを交換しました。

新タイヤの候補は以下の4つ。スポーツ&ツーリングタイヤで選定。

■ダンロップ クオリファイアー2

■ミシュラン パイロットロード2

■ブリジストン BT-021

■ピレリ ディアブロストラーダ

ブリジストンはライフが短そう。ピレリは冬場に弱そう、ということで脱落。ミシュランとダンロップで最後まで悩みましたが、結論はダンロップを再度購入することに決めました。なんだつまんない、と思わないでね。

というのも、私は毎日乗るのでロングライフなタイヤでも半年でツルツルになってしまうんです。ダンロップはとても気に入っているので、冬が到来する前に交換してしまうのが心残り。実は冬に弱かった、なんて後で知るのもシャクだし、一年通して乗ってみないことには真価はわからない。と思ったわけです。ミシュランは来年の春にでも検討しよう。

南行さん御用達の江戸川橋・マッハさんにお願いしました。工賃・処分代・消費税込のセット価格で\38,300と超激安。ダンロップのTシャツとステッカーをお土産にいただきました。ありがとう!フロントフォークに貼ろうかな。

ということで、履きつぶしたダンロップ クオリファイア2のインプレ夏編、です。

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耐久性

20,000キロ走行時の記事では「あと数百キロか」と書いたが、追い詰められた土俵際で脅威の粘りをみせ、徳俵に足をかけながらも約24,000kmまでもった。名大関・貴乃花の下半身のような粘り腰(ってわかるのは45歳以上の人だけ)。

11,000km時に交換したので、約13,000km走行。夏場でよく溶けたわりにはたいしたロングライフだと思う。

特筆すべきは単なる長寿命ではないこと。ライフ最終期になってもグリップ力・柔軟性が新品のときと大差なく、最後まで性能を十分に発揮してくれた。ただし夏場で気温高めなのが幸いしただけかもしれないので冬場の検証要ですね。

私のバイク用途は、一般道90%:峠道5%:高速道路5%といったところなので、サイドに比べてセンター部の減りが早いのはしかたないところ。センターに固めのコンパウンドを使っているMT(マルチプル・トレッド)なので、これでもよく持ったほうだと思う。

空気圧は前後とも2.2kg。常時一名乗車。

これが新タイヤ。溝が深い!まるでグランドキャニオンのようだ。

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こっちが履きつぶしたタイヤ。見事にスリップサインが出てます。溝が浅い。世田谷の等々力渓谷のようだ。

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ちなみにフロント、もう1000kmは楽勝でいけそうだけど前後セットで交換しました。セットで割引価格だったので。

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低速、直進性

柔らかめのケースのためかショック吸収性が良く、ソフトで疲れない。私のZRXはサスペンションを減衰力高めにしているがそれでも十分に良い乗り心地。サス設定についてはこちらの記事を参照ください。ノーマル状態のサス設定ではフニャフニャで低速でのリバウンドが大きく取り回しが不便なので多少固くしたほうが良いと思う。

低速走行での取り回しはやや粘るタイプ。そこそこ車重のあるリッターバイクなのであまりフラフラするよりもこれくらいの手ごたえがあったほうが乗りやすい。狭い道でのユーターンやクネクネ走行にも支障を感じなかった。

高速やバイパス道で素晴らしいのは直進安定性の高さ。どっしりと直進、安定感がある。そのかわりレーンチェンジではヒラヒラ感はそれほどでもないが私はこういうほうが好みです。高速でヒラヒラするのは不安なので。

雨天走行については、とくに感動するほどのものはないが、いちおう合格レベルでしょうか。

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カーブ走行(街乗り)

クオリファイア2は街乗りでもサイド部のグリップ重視コンパウンドを積極的に使える。リーンウィズで倒しこむと、ググッと抵抗感をもちながら安定して素直に倒れこみ、比較的早い段階でサイド部が接地する。通常のカーブ走行でもサイドのグリップを感じられるので楽しい。といっても、街中でもペタペタ寝るようなタイヤではないです。どちらかといえば安定指向。

ちょっと走ったあとでタイヤを見てみると、サイドに石ころがたくさんついている。柔らかいコンパウンドなのがよくわかる。

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コーナリング(峠道)

スポーツ&ツーリングのカテゴリなのだけど十分以上にグリップ力高いと感じた。BT-020では滑るのでハングオフでバンク角を抑えるような状況のコーナーであってもリーンウィズで曲がれる。

なによりも峠道でうれしいのはタイヤの温まりが速く、温度依存が少ないこと。これがこのタイヤの最大の美点ではないだろうか。ちょっと走っただけですぐに温まってくれるため休憩を頻繁にとることができ体力的に楽です。もういちど同じタイヤにしようと思ったのはこれを冬場で確認したいため。

ハングオフで速度やや高めにして乗るとこれがまた楽しい。リーンだけで曲がっていても十分に楽しめるのだが、トラクションをかけて曲がることでこのタイヤの個性がさらに発揮される。シートに荷重をグイとかけタイヤをツブシ気味に乗ると、それまでのジェントルさとは打って変わって面白いように曲がってくれる。普段は表に出さないもう一つの顔を見せてくれるという感じ。

大型ネイキッドを振り回して乗るにはうってつけのタイヤだと思う。リッターバイクらしい豪快さを十分に堪能できる。ネイキッドのような「立ちの強い」バイクにちょうどいい具合なんだな。重い車体をガッチリと支えてくれる。ZRXではサスペンションが悲鳴をあげるくらいグリップする。

コーナーに進入し、車体を素早くリーンさせシートに荷重をかけ旋回を開始すると左右のリアサスが交互にグワグワと上下してスイングアームをロールしながらグリップする。そのまましばし旋回し、クリッピング直前で体勢を立て直すと、車体はライダーの意図どおりにスイッと起きてくれる。このあたりの素直な挙動が素晴らしい。

街乗りと同じく、峠道でもペタペタと寝るタイヤではありません。どちらかといえば安定指向なのだけど、ひとたびライダーがその安定を崩したい!と思って入力を開始すると、グイッ、グイッとグリップしながら手ごたえをもって倒れこみ、バンク角が深くなるまで手ごたえがグーッと続く。このゆっくり具合が安心感をもたらしてくれる。重量車の場合はこういう挙動でないとライダーは怖さを感じると思う。

峠道をハードに走っても段べりがみられなかった。(注:段べりとは、溝の前後で高さの差ができて、ノコギリの歯のように段々になること)。しっかりとしたコンパウンドとケース構造なんだと思う。

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結論

基本的には安定指向。安心感のあるグリップ性能。街乗り・峠道・高速と場所を選ばない。ロングライフ。おとなしく乗っても攻めて走っても、どちらでも高いレベルで許容してくれる。

重量車に最適な個性を持ったタイヤ、とくにZRX1200Rとの相性は抜群に良い。普段は街乗りやツーリング中心だけど月に1回以上は峠を攻める、っていう使い方にぴったり。

想像ですが、ドカティのような軽量SSには向いてないような気がする。



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コメント

●RC17さん

最近のタイヤの進化はものすごいですね。20年以上もバイクに乗ってなかった自分からするとまさに夢のような性能です。

はじめからこれしか知らない若い人は何か勘違いしてハイサイドとか起こすんでしょうね。きっと。

やっぱ「タイヤは滑るもの」という基本認識はいつも必要だと感じております。

投稿: ケビン | 2009年11月 4日 (水) 06時40分

こんにちは。

えーと、この記事とっても参考になりまッス
4回も読み返してます、はい

これから寒くなってくるので、冬場のインプレも
ウルトラ楽しみでありまッス

投稿: RC17 | 2009年11月 3日 (火) 10時46分

●南行さん

自分で見聞したのはわずか片手に余る本数なので恥ずかしい限りです。てへへ。

マッハの2階で狭い椅子でコーシーをいただきながら、ぼけっと雑誌を読んでましたよ。リフト作業が面白いなんて気がつきませんでした。ああナンアルチア。次回は是非ともチェックします。

ダンロップ万歳みたいで恐縮なのですが、次回はもしかしたらミシュラン万歳になってしまいそうな、素直な私です。。。

投稿: ケビン | 2009年10月31日 (土) 18時18分

オールシーズンを通して履いてみなければとは、その通りですね。 通の大人の能書きは自分で見聞・経験したことでなくっちゃいけませんから。。。

ダンロップのメインシリーズたるクオリファイアー2を選択するのは正解なんだと思います。 私も含めて一部ではハイグリップ指向ですが、一定の条件でしか走らない人以外は温度依存度とかウエット性能を考えればクオリファイアー2のようなオールラウンダーの選択が正しいのでしょう。 と云いながら私はハイグリップ指向ですから、オールラウンダー・タイヤに関してはここの記事を参考にして法螺を吹くんでアリマスデス。。。


”マッハ”で交換したってコトは、窮屈な二階の待合席で待たされたんでしょうか。 あそこの交換作業は車両のリフトアップも含めて面白いんですが、、、ケビンさんならチェック済みでしょうね。

>安定指向。安心感のあるグリップ性能。街乗り・峠道・高速と場所を選ばない。ロングライフ・・・

その通りのタイヤなのでしょう。 この記事を読んだらダンロップの人達が目を潤ませちゃうのまちがいなしです。。。

投稿: 南行 | 2009年10月31日 (土) 13時29分

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