国立天文台に行ってきた
何気なくネットで発見。調布にある「国立天文台 三鷹キャンパス」は毎日無料で公開しているというので行ってきた。とても良かったので紹介します。
府中街道を北上、途中いくつか気になる路麺店を調査しながら小一時間ほどで到着。以前紹介した調布飛行場のすぐ近くにある。
ここに天文台があることは、それこそずーっと昔から知ってたし、この前の道も何度となく通っているのだけど中に入るのは今回が初めて。ちなみにクルマの駐車場はありません。最寄の駅は京王線・布田駅もしくは西部多摩川線・多摩駅なんだけど、どちらも徒歩で40分くらいかかる。京王線・調布駅からはバスが3系統あり15分で到着するのでこれがおすすめ。
歴史あるたたずまいの正門。ほんとはバイクも駐車不可なのだけど、守衛さんのご厚意で特例として門内に停めさせていただきました。来場者少なかったんですね。それともよっぽど可哀想に見えたんでしょうか。とはいえ、バイクに乗ってなければ訪問する機会なんて今後もずっと無かったんじゃないかと思います。幸福な偶然に感謝。
三鷹キャンパスは広大な敷地の中、鬱蒼とした山林の合間に施設が点在する。木漏れ日と下草の匂いが気持ち良い。キャンプにきたような気持ちにしてくれる。
そもそも国立天文台は東京麻布飯倉にあったが、関東大震災で被災ののち1921年(大正10年)現地に移転した。おそらくその当時は武蔵野そのままの山林であったにちがいない。現在でも当時の植生が残されているのではないだろうか。
この古びたドームは「第一赤道儀室」太陽の黒点観測に使われたもの。私は天文にはほとんどまったく興味がないのだけど、このドームのたたずまいには惹きこまれるように見入ってしまう。
苔むしたコンクリートが語りかけてくるようだ。ちなみに、このドームの奥には古墳がある。天文台とはまったく関係なく、偶然そこにホンモノの古墳があったんですね。この場所は小高い丘なので古墳に適してるんだろう。きっと古代人もこの場所で星空を見上げたにちがいない、なんて想像する。
三鷹キャンパスの南端あたりを歩いていくと、なにやら大きな塔が木々の間に見え隠れする。
通称「アインシュタイン塔」、塔全体が望遠鏡の筒の役割を果たしているとのこと。ドイツ・ポツダムにある「アインシュタイン塔」と同じ構造・目的のためそう呼ばれる。門外漢なのでよくわかりませんが存在感のある塔にグッときます。
大赤道儀室(天文台歴史館)。国内最大の屈折望遠鏡だが、建物の老朽化のため現在は展示用として保存され歴史館となっている。この巨大なドームは木製で、内側から見上げると積層木材を使った木の梁による構造が見事です。木造船の竜骨のようだなあと感じていたのですが、その後ネットで調べるとこのドームは造船技術をとりいれて建築されたものだとわかり、思わず「ピンポン」と膝をたたきましたよ。
ドームの1階部分。ドームと望遠鏡を回転させるための回り舞台のような機械設備。
レプソルド子午儀室、運用当初は時刻の決定と経度測量に使用された重要な設備だったそうです。小ぶりではありますが存在感のある建物ですね。大正レトロ。窓枠の縦の溝が浅草橋のイーグルビルに似てるなあ。
自動光電子午環、恒星や月、惑星の精密位置観測を目的としたもの。サッカー場くらいある広場の中心にデンと座っている。カール・ツァイス製の望遠鏡だそうですよ。この写真を撮影したケータイ電話は奇しくもカール・ツァイス製のレンズを使ってます。
アンテナ線につる草が伸びている。足首がスッポリ隠れる草を踏みしめ踏みしめ、膝を上げながら歩く。ちょっと人の手がはいらないとすぐに植物に飲み込まれてしまいそうな危うさ、というよりも植物の生命力の偉大さを感じさせられる。
ゴーチェ子午環、つい最近(2000年頃)まで現役で使われていたとのことです。天文台の敷地は、観測目的のため周囲の住宅とは隔絶されているのでまったくの無騒音状態。シーンと静まりかえっている。時間が止まったようにさえ思える異次元のような空間。
この広場にいると、なんだかとても不思議な気持ちになる。古代科学文明の遺跡に迷い込んだようなというか、うーんそうだな、例えれば「天空の城ラピュタ」にたどり着いたパズーになったような気分とでもいうか。時間と空間を超えたような気分が心に満ちてくる。
天文台の外の世界に戻ったら、時間が1000年くらい進んでいた、、、なんてタイムスリップしてもおかしくないようなボーっとした雰囲気に浸ってしまいました。
守衛小屋が可愛い。守衛さんは蚊との格闘の日々のようです。この場所でオープンエアの勤務はきついだろうなあ。蚊取り線香が充満してました。
一時間足らずの見学だがものすごく長時間いたような気がする。やはり本当にタイムスリップしてたんでしょうか。
天文に興味なくても面白いですよ。ちょっとした気分転換にはうってつけです。交通不便が幸いして、あまり混雑してないのが良いところ。
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コメント
●うどん男さん
私は今でも現役vi使いですよ!
Linuxには欠かせません。
投稿: ケビン | 2009年11月 8日 (日) 18時57分
> 68000アセンブラは勉強しただけで実際に使ってたのはCでした。(*´v゚*)ゞ
こ・こんな所にも接点が.....
私は会社へ入って、10年くらいはずっとCをやってました。
おかげでMS-DOSの仕事が増えてもエディタはviでした。
投稿: うどん男@広島 | 2009年11月 8日 (日) 08時13分
●たけさん
本来の目的とはちょっと違いますが(笑)、ボケーッとするのにいいところです。
なんたって人が少ないのがいいですよ。おすすめです。
投稿: ケビン | 2009年11月 8日 (日) 07時15分
●うどん男さん
野川公園、広大でいいところですよね。私も大好きです。
68000アセンブラは勉強しただけで実際に使ってたのはCでした。(*´v゚*)ゞ
投稿: ケビン | 2009年11月 8日 (日) 07時14分
深大寺からここって通勤ルートだったんですよ~
だけど一度もいった事がないっす
中はこんな感じなんですね
ピクニックなんかできそう
投稿: たけ | 2009年11月 7日 (土) 22時24分
国立天文台の北西にある「野川公園」にホタルが来ると
聞いた事がありますが、見た事はありません。でも、
野川公園は歩いた事はあります。緑の多い所で公園と
いうより森に紛れ込んだような所でした。
> 68000のアセンブラを勉強したのが懐かしいです。
スゴいですね。私はZ80で挫折しました。
投稿: うどん男@広島 | 2009年11月 7日 (土) 20時11分
●うどん男さん
またこれは奇遇ですね。私はうどん男さんの記憶を遡る運命のような不思議な心もちです。
大沢のあたりは、たしか蛍が飛ぶ沢(これが大沢?)で有名ですよね。
うどん男さんも蛍を愛でられたのでしょうか。
ところでモトローラの68000。いいCPUでしたね、アドレス空間がリニアで綺麗な構造。68000のアセンブラを勉強したのが懐かしいです。
投稿: ケビン | 2009年11月 7日 (土) 11時24分
社会人になって始めて実家を離れたのですが、その時
住んだのが天文台北側にある大沢台小学校の隣にあった
会社の寮で、国立天文台がここのある事は知っていまし
たが、入った事は有りませんでした。
その頃は、インターネットも普及していなかったので
天文台を見学できるなんて知るよしも無かったんですけど。
(使っていたパソコンもシャープのX68000でしたし)
投稿: うどん男@広島 | 2009年11月 7日 (土) 08時58分