神奈川の秘境 水郷田名を散策
毎日寒いですが、お天気が良かったのでちょっとバイクに乗ってきました。
相模川のあたりまで足を伸ばす。相模川東岸にはJR相模線っていうマイナー路線が走っていて、さらに駅から遠ざかると訪れる人も少ない秘境モードに突入する。まあそれでも、相模川西岸の愛川あたりに比べれば全然ましなほうですが。
駅で言えばJR相模線・番田駅から西へずーっと進んだあたり。この辺一帯は「田名(たな)」と呼ばれてます。田名は「棚(たな)」が転化したものだろうとは容易に想像がつく。
相模川は荒川や利根川と違って急流なので河岸段丘が険しい。河原から望むと両岸は切り立った崖となっていて、崖の上の土地はまるで「棚」の上にあるような印象なんですよ。下の写真参照。
R246からR129へ北上、通称「上溝バイパス」。厚木から八王子方面への幹線道路。上溝駅のあたりで左折して相模川方面へ段丘を下る。
たどりついたのが本日の目的地「水郷田名」です。葛飾・水元もそうでしたけど、水郷って大好きなんだ。
ここに「相模川ふれあい科学館」がある。長男が小さい頃、この科学館へ行こうとして何度も道をまちがえ、うろうろして結局たどりつけず父親の権威を大きく失墜させたという幻の地。そのころはカーナビなかったんだよね。
ようやくたどりつけたので積年の恨みが晴れました。本日は私ひとりなので科学館は軽くパスします。
科学館の庭に展示されていた「アルキメデスの螺旋ポンプ」。皆さんも子供の頃に本で読んだことあるでしょうが、なかなか実物を動かす機会はないと思います。
ハンドルを右に回転させベベルギアで螺旋を回す。ホースの下端が水につかり多少の水を汲む。螺旋が回転すると、水が現在ある地点よりも、それまで上方にあった地点の位置がグルッと下にくるので、水は低いところへ移動する。これを連続することで、一番上まで水が到達する。
うー、こんな解説でわかっていただけるだろうか。自信がない・・・
理屈はともかく面白い。透明なホースなので、回転に合わせて水がじゃぶんじゃぶんと上の螺旋に移動していくのが見えて、「なるほどねー」と感心することしきり。
あー、アルキメデスってすごい天才科学者。子供の頃からやってみたかったのだ。童心に帰っていつまでもポンプを回し続けてしまった。うー、楽しい。
ということですっかりポンプマンを堪能しました。腕が疲れたので科学館を後にしてノロノロとバイクを進めていると、こんな看板を発見。うーん、やっぱりここは秘境なんだ。
上記看板のお隣にはお城のような大邸宅がありました。秘境の王様でしょうか。
田名八幡神社。最近本殿を建て替えたばかりのようで銅葺きが赤銅色に光ってますね。こういうの好きです。すがすがしくて。
八幡社の近くに「烏山用水」が流れている。相模川から引いた用水らしい。江戸時代の開削とのこと。
昔ながらの家並の間をきれいな用水がサラサラと流れている。とても不思議な光景に目が点となる。
よく見ると、それぞれのお宅の裏庭から用水に下りるための「かまち」のようなものがある。きっと昔はここで炊事や洗濯の用をまかなったんだろう。水道なんかない時代にこの用水は生活に欠かせないものだったんだろうなあ。
こんな立派な用水があるということは、江戸時代はこのあたりは秘境ではなく栄えた土地であったに違いない、と推測する。
写真には撮影しませんでしたが、土地の古老と偶然に出会うことができた。
散歩の途中らしい。気軽に挨拶を交わす。べらんめえ口調で昔はやんちゃだったって感じのお父さん。用水に住む鯉のことなんかをあたりさわりなく話してたんだけど、いつしかポツポツと問わず語りに昔話が始まった。
「今でこそ寂れてるけど、数十年昔までは、このあたりは遊郭や料亭で栄えた土地だったんだ。」
へえーー、そうなんですか。とてもそんなふうには見えませんよ。
「昔は相模川の向こう(厚木)あたりから勤め人がたくさんやってきて金を使ってくれたんだよ。そりゃ景気良かったもんさ。今でも料亭の名残が1軒あるけどね。。。バイパスや橋ができて、皆んなここには寄らないで素通りするようになっちゃった。変わっちまったもんだよ。。」
なるほど、まさにここはオトナのパラダイスって意味の秘境だったんですねえ。
「まあ、今はね、こういった用水でも見に来る人がいてくれてうれしいけどね。。景気悪いねえ。。」
どんな土地にもそれぞれの栄枯盛衰があるんだなあ。どうもありがとう。お元気で暮らしてください。
ご老人と別れ、また用水を散策する。この用水はそういった過去の歴史を見てきたんだなあと思うとまた、見る目がちょっと変わってくる。
バイクで散策していると、こういった歴史の発展に取り残された土地を目にすることがよくある。
今でこそ交通の便が悪い秘境なんだけど、鉄道や道路が整備されない昔は、川や海の水路ってのは重要なライフラインだったんだなあ。
バイクってこういう異次元空間にスイーッと連れてってくれる人間クサイ乗り物だよなあ、と、つくづく感じる。
相模川の河川敷ではサッカーやってますね。
日系ブラジルの人たちだろうか。サンバを大音量で踊りながらバーベキューしてました。楽しそうだなあ、まったくの異文化ですけど、彼らもすっかり土地に馴染んでますね。
まるでアルキメデスの螺旋のように、でんぐりもんぐりしながら、こうやって少しずつ回転して姿をかえながら、しかし着実に文化は変遷していくんだなあ、となんとなく哲学的な気分になった秘境散策でした。
追記:TOYZさんのコメントにあった高田橋の写真。昨年夏のものです。背番号25番は我が家の悪娘。
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コメント
●ISAさん
愛川町は宮ケ瀬への経路なのでよく通過します。通り過ぎるだけなので申し訳ないですが。
そういえば以前、道に迷ってしまい、いつものR412を外れてしまったことがあったのですが、地元のハーレー乗りの方に先導してもらって走った道が、田園の中を真っ直ぐに進んで気持ちよかったです。
愛川高校から半原のほうへ中津川沿いに抜ける道だったと思います。
愛川のあたりでハーレー乗ってる人をよく見かけるんですよ。
投稿: ケビン | 2010年2月 9日 (火) 07時33分
私の弟が愛川町です。他にも知り合いがいますが、ふれあい科学館と用水路は知りませんでした。とても素敵な日本の風景が残っていることはとても嬉しいですね。
暖かくなったら行ってみたいと思います。
投稿: 雲水・ISA | 2010年2月 9日 (火) 00時45分
おお、これまた懐かしいですね。
有難うございます。
有史以前から栄えていたとは驚きですね!
南下すると寒川神社もありますし、
神事も盛んだったのかもしれませんね。
投稿: TOYZ | 2010年2月 7日 (日) 20時48分
●sobaさん
R246を走らなくてはならないので、チャリだとスリリングかもしれないですね。
でもなかなか良いところでした。
これといって何もないんですが、そういうのがほのぼのとしてゆるくて良い感でしたよ。
投稿: ケビン | 2010年2月 7日 (日) 20時20分
●TOYZさん
そうねんですよね、昔は川筋は重要な荷物運搬の拠点のはずです。
どうやらこの地の歴史は相当古いらしくて、有史以前から栄えていたようです。
寂れたのは、つい最近のガソリン自動車が発明されてからのわずかな期間みたいですね。
そうそう、高田橋の写真がありましたので記事に追加しましたよ!夏の写真なので鮎釣りの人が写ってますね。
投稿: ケビン | 2010年2月 7日 (日) 20時17分
ちゃりですと
輪行でいくしかないかもしれません
つわものなら湘南まで経由でいけそうですが
わたしゃむり
でも言って散策したいですね
このあたり
投稿: soba | 2010年2月 7日 (日) 11時46分
田名も懐かしいです。
上溝に住んでる友人達と田名から愛川町に
渡る高田橋の下でキャンプをやったことが
あります。
8月15日でしたので、色々(怖)と
ありましたが・・・。
「昔は遊郭があった」ということは、
知らなかったですねぇ。
相模線の歴史を追いかけていくと何か
分かるかもしれませんが、文明や都市は
大体川沿いから始まりますよね。
山もそこそこ近くて、相模川沿いで、
鎌倉街道(16号線)も近いことから、
宿場なんかもあって栄えていたのかも
しれませんね。
投稿: TOYZ | 2010年2月 7日 (日) 10時48分