そば千
旧いとう(通称:黄色看板の店)、現在の正式な名称は「そば千」
JR総武線・浅草橋駅、徒歩4分
靖国通り・東神田交差点近くで40年近く続く老舗、屋号が不明のため「黄色看板の店」と呼ばれ、昭和テイストぷんぷんな外観はディープなマニアをひきつけてやまない。
この「黄色」、惜しまれつつも2010年1月に閉店し、多くのファンを悲しませた。あんな個性の強い店なかったもんなあ。
ところが、ブログ仲間で立ち食いそばファン界の超有名人、路麺党元書記長こと高野さんの掲示板で発見!なんと、4月12日から復活というではないですか。これは一大事、さっそく小雨そぼふるなか昼休みにバイクで駆けつけましたよ。
おー、以前とまったく同じお店が営業してます。夢じゃなかろか・・・
■蕎麦、茹でめん。灰色っぽい、やわらかめ。悪くない。
■つゆ、濃厚というほどではないが鰹+鯖節でしっかりととったダシの風味よし。コクと酸味あり。カエシ濃いめ、しょっぱくてわずかに甘め。
■かき揚げ、揚げ置き。タマネギ主体、ころも厚くなくしっかり揚がっておいしい。
おきあみ天がなかったのが残念。荒微塵鷹の爪もないなあ。
つゆがもう少ししょっぱくても良いかも。天ぷらのコロモはいとうならではの重曹でサクサクしたものではない。旧いとうの熱烈なファンには残念かも。でもおいしいですよ。けっこううまく再現されてると思います。私はこういうの好きです。

興和物産のめんを使用。

厨房を見回すと男性が2人。以前のご主人はみあたらない。新しいご主人らしき人とちょっとお話しました。
元店主は、体をこわされてお店を廃業したそうです。お店はしばらく放置してあったんだけど、そのまま閉店しちゃうのが寂しかったんでしょうね。古くから馴染みのお客さんもたくさんいるんだし。それで、新店主のところに「おまえ、後を引き継いでやってみないか」との打診があった。新店主は北千住の有名路麺店「そば千」のご主人だそうですよ。訊ねたら教えてくれました。へー。そば千も有名ですからねーと応えたらとても喜んでくれた。
「私は40年この商売やってるんだけど、ずーと昔からこの店(いとう)が大好きで、それこそ毎日食べに来るくらいのファンだったんですよ。昔から有名でしたからね。」
「なので、お話があったときに喜んでひきうけたんです。」
「千住の店(そば千)とはまったく違うタイプのお店なんだけど、こういうのやってみたかったんです。」
「食券がない、ってのがいいですよね。お客さんとの会話があってね。金額の計算間違えないように、ここに虎の巻貼ってあります(笑)」
「こういったカウンターのハゲてるのも、良い雰囲気だからそのまま使うことにしたんですよ。ね、いいでしょ?」
なーるほど。それほど立ち食いそばを愛しているかたが受け継いでくれるんなら、お店も元大将もうれしいんじゃないですかね。
もう一人の年配のかたが主にそばを調理している。「この人はね、そば千の初代店主なんですよ」って紹介された「えへへ、どうもー」みたいな。お年召してるようだけど、きっと新店舗の立ち上げに必要だからって、半ば引退してるところを駆り出されたのかもしれないですね。とても楽しそうに仕事してらっしゃいました。
立ち食いのお店がどんどん閉店していく中で、こういうかたちで復活するケースってのはまずありえない。もう奇跡に近いことじゃないだろうか。たいていはラーメン屋になっちゃうか、平凡なチェーン店になるかのどっちかです。
そばオヤジ二人。うん、これは良い!良い布陣ですよ。立ち食いそばを愛するオヤジと爺たちの力で名店が復活したんです。こんなにうれしいことはない。やっぱり日本を救うのはオヤジパワーだな。好きな商売をとことんやってください!
なにはともあれおめでとう。がんばってくださいね~。

350円
千代田区東神田1-17-4 (日祝)休
評価は2点 ☆☆
あじ天そば
■蕎麦、茹でめん、灰色っぽくて断面丸い。やや柔らかめ、悪くない。
■つゆ、ダシよし、甘辛く真っ黒いつゆ、所謂「ガツン系」の東京ならではの立ち食いそばの味。こういうの大好き。
■あじ天、揚げおき。太ってあじがぷりっとして旨味あり。コロモはカリカリではなくしんなり系


オリジナル店主の引退で経営が変わりましたが、かつてのガツンつゆがみごとに復活してうれしい限りです。
340円
ちょっと奮発して、いんげん天と茄子天のダブルでいただきます。

真っ黒なこいおつゆ。醤油のきいた甘辛いガツンつゆが冷やしでもうまさひときわ。私はさらにここに粗切り鷹の爪をドバと入れるのが好きなのよ。ヒリリとくるカプサイシンが大量の発汗を呼び、爽快感を高めてくれます。

このお店は外でたべられるので、こっちのほうが人気あり。今日もみなさん外でたべてらっしゃいます。すみません勝手に撮影しちゃって。

430円(いんげん+茄子)安い!
いんげん天そば
靖国通りをバイクで走って、隅田川に近づくとどうしてもこれが食いたくなる。
■蕎麦、茹でめん、灰色っぽくて断面丸い。やや柔らかめ、悪くない。
■つゆ、ダシよし、甘辛く真っ黒いつゆ、所謂「ガツン系」の東京ならではの立ち食いそばの味。こういうの大好き。
■いんげん天、揚げおき。いんげんの甘みがじわっとおいしいです。コロモはカリカリではなくしんなり系


340円
春菊天そば
黄色看板@東神田、春菊天ピーマン天そば。路麺大帝が「春菊天どうしても食え」と脅すので、半信半疑ながら食べてみたら、もんのすごくうまい、絶品。これすごいわ、東京の路麺で春菊ベスト5に入るな。いきなりのシード権獲得新人みたいな。すごいです。あと4つは、丹波屋、大黒、甲斐そば



評価は3点 ☆☆☆
そば千(黄色看板の店)
東神田
げそ天そば

げそはそれほどギッシリでもなくまばらにあるがこれもいい。



左は靖国通り

食べ終わって外に出ると鳩がたくさん集まってくる。そばのおこぼれを待っているのだろうね。

360円
評価は2点 ☆☆
オキアミ天そば
絶滅危惧タネのオキアミ天ぷらを発見。おもわず注文。

やや小ぶりだがオキアミぎっしりと詰まって大満足の味。サックリした食感と香り。路麺好きにはたまらないものがある。

ここに窓ができてから明るくなった。外にとめたバイクを眺めながらの一杯には格別なものがある。路麺バイク探訪の愉快が極まったひとときだ。

天ぷら2つで割引あり。これは新機軸。ここの天ぷらは小さめだから2つ乗せたくなる気持ちをぐいっと後押ししてくれる。

陽気の良い日は外で食べたいお店。

390円
評価は3点 ☆☆☆
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