信越そば(茹でたて生そば)
銀座線・外苑前駅、BMWとなり
エルメネジルド・ゼニア、サバティーニ、BMWといったおしゃれなブランドに挟まれて頑張る立ち食いそば屋さんです。半蔵門から渋谷の間で青山通りに面した店はここだけなんですよ。とても貴重。
券売機が独特。今では珍しいプラスチックの札を使うタイプ。札の種類は、「1品」「2品」「3品」となっていて、タネの種類と関係なく札を買う。どのタネを選ぶかは店員さんに口頭で伝えるという初心者には理解しずらいシステムだけど憎めない。なんつーか、わかりやすいだけが良いシステムとはいえないと思うんだよね。こういうちょっとした「変」さは、いわば社会のスパイスとして適度な刺激を我々の疲れた脳に与え続けてくれてるわけです。
■蕎麦、茹でめん。灰色っぽい。中太。ゴワゴワしない。
■つゆ、ダシ・カエシともに薄いが悪くない。甘くない。季節を問わず非常に熱い。
■かき揚げ、揚げ置き。コロモばかりで具が乏しい。小さめ。味は悪くない。油良し。
量少なめなので、ちょっと小腹が空いたときにいいですね。

自動ドアのセンサーがひっきりなしに「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」と叫び続けている。店員さんが目の前にいるんだからこれは不要じゃないかなー、と思うんだけどね。。ご主人は、はたしてこのシステムが気に入ってるのだろうか?それとも、自動音声案内に満ちあふれた現代社会への痛烈な批判精神のあらわれなのだろうか。いろんな意味で社会派のお店ですね、ここは。

数年前までは、このお店の並びに、トタン壁、錆びてめくれた看板、傾いた庇の不動産屋があり、青山通りに燦然と輝く昭和のオーラを放っていた。外国人観光客の格好のシャッターポイントとなってましたね。これがなくなっちゃったので、それまでは比較劣位にあった信越そばが目立つようになってしまったのだった。

360円
東京都港区北青山2-13-4 24時間営業
評価は2点 ☆☆
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冷やしたぬきハム天そば
青山通り沿い、有名なイタリア料理店SABATINI の隣にあることから、一部の愛好家からは「ソバティーニ」とも通称される。茹でめんと揚げ置き天ぷらを使った、普通の路麺スタイルをかたくなに守る貴重なお店です。地価の高い外苑前にありながら、変わらぬ安い値段、注文してすぐにサッと出る。このお店の存在は立ち食いそば界の良心といっても過言ではないと思います。
プラスチックの札をつかったこの店ならではの独特の券売機で「天ぷら2品」を430円で購入。ボタンを押すと「カタリ」と小さな音がして角が丸い四角の黒いプラ札が落ちてくる。
この店の流儀として、カウンターに札を置いたらまっさきに、そばかうどんのいずれかを意思表示しないといけません。お店の流れ作業を円滑に進めるには、そばを湯がく工程は最上流に位置する、いわばタイムクリティカルなタスクを最初に発動しなければいけないわけです。
冷やしにしたい場合には、この段階でお願いしましょう。
「そば、冷やしでお願いします」とさえ伝えてしまうと、店員さんの殺気走った緊張感は一気に緩和され、ものすごくフレンドリーになりますので、その態度変化を確かめてから、アタマに乗せるタネを注文すればよい。なんということはない、非常に合理的なお店なのです。
ということで、「ハム天、それから揚げ玉」を注文。
ここの冷やしは、よくある冷蔵庫でキンキンに冷やしたものではなくて、いわば常温です。湯がいて水で〆たそばに、鍋にストックした常温のつゆをたっぷりと注いだもの。なので、ヌルいそばと表現したほうが正確だと思います。
ヌルいと書くといまひとつのように見えますけど、食べてみるとこれがとてもいい感じなのです。キンキンに冷やさないので、それほど甘くする必要がなく、カエシを濃くすることもない。常温だと、人間の舌は微妙な味を感じられるんですね。キンキンだと舌が鈍感になっちゃうのでどうしても味を濃くしないとならないんですよ。
なので、ここの冷やしのおつゆはとても優しい味わい。ゴクゴクと最後まで飲み干せます。塩分糖分も控えめでヘルシー。こういったさりげない心配りが信越そばをして立ち食いそば界の良心と言わしめているわけです。

蕎麦の量は、わりと多めなのがうれしい。

たぬきとハム天の組み合わせはコロモばかりなので、選択ミスでした。ハム天と玉子(生卵)にすればよかったかも。
ヌルいつゆは、胃腸にも優しいです。


430円
評価は2点 ☆☆
ハム天そば
青山通り沿い。絶好のロケーションに位置する孤高の路麺。
■蕎麦、茹でめん、薄茶色っぽくて柔らかめ、悪くない。
■つゆ、ダシよし。濃くはないが鰹がかすかに香る。カエシやや薄め、あまり甘くない。
■ハム天、揚げおき。コロモが微妙にまとわりついたハム。コロモを剥がして食べてもいいです。ハムの塩加減が絶妙。ちょっとしょっぱめのハムがそばにとても合う。ハムの歯触りがまたよくて、弾力が弱く、噛むとホロッと崩れる加減がいいです。これはいい、こういう取り合わせアリです。

ご主人と男性店員2人でやってる。
みなさん優しいものごしで良い印象。
プラスチック札の自動券売機も健在。
360円
冷やしゴーヤ天そば+キザミ生揚げ
券売機で買った黒いプラ札は「天ぷら二品」の印。プラ札が出るよりも早く「冷やしそばね」と最重要案件を告げると厨房に浮かぶ安堵の表情。黒札を指先で軽く挟み、プロ棋士のように華麗な手つきでカウンターにピシーッと置くや、タネの注文をつぶやく。黒札を持つものの特権である二つの天ぷら、厨房奥のホワイトボードと、おぼろげな自分の記憶をもとに迷うことなく瞬時に決める。そう、それが信越そばの醍醐味。
ホワイトボードにはいつも一風変わった楽しいタネモノが記される。本日の珍品はゴーヤ天。
いつもながらの「ぬるいつゆ」がうまい。キンキンに冷えすぎたのはカラダによくない。これくらいがちょうどいい温度。
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大量の「きざみ生揚げ」をよけると下から顔を出す。ちなみに、きざみ生揚げは、いわゆる厚揚げの「生揚げ」をきざんだのではなくて、味付けしてない普通の油揚げをきざんだもの。「生」の状態の「揚げ」を「きざみ」にしたものという意味だと私は理解しております。これいいのよ、天婦羅ダブルだとちょっとヘビーだけど、こいつだとちょうどいい。とろろ昆布もいいけどね。

ゴーヤは天婦羅にすると甘みが多少にじみ出る。基本はニガイですが。
ではそもそも、ゴーヤは蕎麦にあうのかどうなんんだ、と問われると、わたしにはあまり自信がない。ゴーヤが好きな人にはいいだろうし、嫌いな人にはダメだろう。ゴーヤの存在はあまりにも突出している。

これも気になる。「トマト味冷やし細うどん」。近いうちに食べてみる予定だけど、ここで紹介したからには路麺ダーのみなさんきっと我先に食べるんじゃないでしょうか。あ、私のことは気にせず、どんどんいっちゃってください。

青山通りは今日も暑い。陽炎が見える。ゴーヤパワーで乗り切りたいと期待するが、そもそもゴーヤにそんなパワーを求めるのも酷かもしれない。

評価は2点 ☆☆
冷やしトマト味細うどん+いんげん天
夏季限定メニュー
細うどんは都度茹でなので3分ほど時間がかかります。トマトペーストはデフォではなくて「天ぷら1品」と同様にカウントされますので、素うどんにトマトあるいは天ぷら1品を乗せて380円。ざるそばの食券を買ってください。天ぷら追加したいときは左下の天ぷら券(1品80円)をどうぞ。

さて、私はすっかり上記の絵柄が記憶にしみついていたので、3分間待った後、ご主人が丼とともにすっとタバスコの小瓶を差し出してきたときにはびっくらたまげました。

「タバスコ、うまいですよ、どうぞ」とおっしゃる。そもそも辛いもの大好きなので迷うことなくドバドバとかける。一口たべるや、トマトの酸味とタバスコの酸っぱヒリヒリ。そして、ぬるいそばつゆのマイルド感。細うどんはコシではなく適度な柔らかさが命。茹で加減申し分ない。
そばもいいがうどんに抜群に合いますね、この組み合わせ。

追加でいんげん天。プラ券はこのように買ってください。

天ぷらはレギュラーもののほかに日替わりものが左下に書いてある。

おもわずご主人に「タバスコ、うまいですね~、こんなに合うとは思わなかったですよ」と告げると、やおら満面に笑みをたたえ、ちょっと照れた笑顔で「そうでしょ!うまいでしょ!」とたたみかけるように迫力ある語り口。これがこの人の持ち味。と、すかさず「そうだ!もっと辛いのがあるよ!」と、厨房のすみをごそごそと探し始めた「ちょっと待っててね」と言って両肘を大きく横に張ってゴソゴソとさがすその後ろ姿。あ!これはどこかで見た光景。
そうそう、「千と千尋の神隠し」で、釜爺が千尋をゼニーバのいる沼の底まで電車で送る切符を探すために、何本もある手足をバタバタさせて薬箱をひっかきまわす、あの姿そのものだよ。
結局、その「もっと辛い」やつは見つからなかったけど、そのぶんタバスコをたくさんかけました。きっとハバネロみたいなものだったのかな?

陽炎の立つ青山通り、激辛の一杯を食べた後は額の汗に都会の風が心地よい。

380円+80円
評価は3点 ☆☆☆
いんげん天昆布冷やしそば
ここの店の醍醐味は組み合わせの妙を発見することにある。キザミ生揚げ、トロロ、ときて次は「昆布」。どっさりと盛られた細切り昆布は蕎麦といっしょに食べるとうまいのなんの。。。信越コンビネーション、奥深いなあ。

昆布はよくある佃煮風ではなくて、ほとんど味付けのないものです。それがまたいい。

430円
評価は3点 ☆☆☆
冷やしかきあげトロロそば
いろいろな組み合わせを試してみたくなる。黒プラ札をにぎりしめ。
トロロとかき揚げ、すごくいい。この組み合わせいいわあ。自分でも予想外にうまかった。トロロはそばつゆでちょっと味付けされ、よくかき混ぜられちょっと泡立った感じがフンワリして蕎麦によくからむ。

これをしのぐ組み合わせはあるだろうか?いろいろ試したくなる。

涼しげな風鈴と短冊。

評価は3点 ☆☆☆
いんげん天そば
このお店は24時間ということもあって、よく来ます。
やさしい味わいのつゆ、黒っぽくてわりといい感じのそば。いんげん天。コロモがフワフワとほどけるのがここの特徴。そばといっしょに食べると、そばのポッソリした歯触りとコロモの油っ気があいまってうまいです。
コロモがほどけないほうがうまいそばもあれば、ここみたいなのもある。大切なのはバランスですね。そばも人間も。なんてね。


360円
評価は2点 ☆☆
ハム天トロロそば
この組み合わせもいいな、これのいいところはハム天のそっけなさをトロロがカバーしてくれるところだ。ハム天はある意味孤高のスターなので、トロロくらいくせのある脇役じゃないと相手がつとまらない。



評価は2点 ☆☆
あじ天ちくわ天そば
24時間開いている安心のお店。
ここの天ぷらは統一価格で、券売機も「1品」「2品」というようになっている。なのでついつい「2品」を選んでしまう。私はめったに2品乗せることないのですが、ここではなぜかいつもそうなのだ。まんまと術中にはまっている。このシステムを考案したご主人は天才ではないかと思うのだな。
本日は、あじ天&ちくわ天。ここの天ぷらはコロモが無茶苦茶大きいので、2品乗せると、コロモがドンブリ一面を覆い隠し、いったいどこからがあじで、どこがちくわなのか、まったく判別できない。とくに絞りの浅い携帯カメラだとまったくわからない。

薄めのつゆに、蕎麦らしい風味のある茹でめん。信越そばならではのバランス感覚。軽く食えて大好きなのよ。

あじ天をよけてみたところ。これが竹輪天なのか!!衝撃の映像。円筒形であるはずのちくわが丸く広がっている。よく見ると中心部にはちくわが縦に通っている。いわばこのコロモは「羽根」なんですね。この雄姿は、さながらちくわの胴体に金色の羽根を広げたモスラ!いままさに蕎麦の繭から飛び立たんとする瞬間。と表現するのがふさわしいかも。いや、虫を連想して食欲減退しちゃった人はごめんね。

ここんちの屋号が不明とおなげきのかたのために、証拠写真。スマホアプリなんかにも「信越そば」と登録されてるのに「外苑前そばうどん」とダブって登録する人いるよね。

サバティーニのメニューを食い入るようにのぞきこむランナーあり。

450円
評価は2点 ☆☆
ばら肉天そば
わたし、この店なんとも個人的に大好きなんです。どこがと言われるとこまっちゃうんだけどね。まず店構えがいい。おしゃれな青山通りに面して一歩も譲らない日本文化発信拠点のような暖簾。完全立ち食いの様子が外から見えるのもポイント高いな。プラスチック札の券売機もいいし、いろんな天ぷらが揃ってるのもいい。なんといっても、店員さんがみなさん初老のおじさんばかりなのが落ち着ける。
薄切りの豚バラ肉を、フライや唐揚げではなく、天ぷらのヤワヤワなコロモで揚げる信越そばならではの個性的メニュー。

黒っぽいそばからは蕎麦粉の香りが立つ、つゆはちょと薄めのマイルド系。優しい味わい。

天ぷらなので、食べ進むうちにコロモがフワフワとつゆに崩れだす。それを少しづつ蕎麦とからめて食べるといい感じ。玉子と合わせるとさらにいいと思うので、贅沢したい人はどうぞ。
バラ肉は脂身のそれほどないさっぱりしたもので、蕎麦とも相性良いです。親父世代の健康にも配慮してくれてるんでしょう。病み付きになるこれぞ個性派路麺ならではの一杯。
この天ぷら、カレーそばにのせてもいけます。

360円
評価は2点 ☆☆
とろろ月見そば
二品のプラ券を買って注文するは、「とろろ月見そば」ネバとろの相乗効果を狙う。

まず、卵白だけをズルリとすする。ネギ抜きがポイント。

次いで、つゆを完全に飲み干す。

そばと撹拌し、とろろカルボナーラ(仮称)の完成だ。なんとなくこれがマイブームなんです。

しんえつさんのコーン

評価は2点 ☆☆
ちくわ天昆布冷やしそば
ここの店はタネの組み合わせが楽しい。なかでもこのコンビネーションすごくいい!抜群。
信越の2品(黒プラ札)の場合、天ぷら+シンプル脇役てのが鉄則。低加工度のシンプルな脇役は「昆布」「とろろ」「きざみ生揚げ」の3強から、天ぷらの個性とマッチしそうなものを選ぶ。
かき揚げのように具材が細かく切れたものには「とろろ」がベスト。ちくわ、ソーセージのような長ものには「昆布」。いんげん天などの歯触りよいものには「きざみ生揚げ」。生卵はオールマイティ。このあたりをご参考になさるとよろしいかも。
反対におすすめできないのは、「かき揚げ+たぬき」。コロモばっかりになっちゃうので(笑。

昆布とそばを絡めて食べるとうんまい。羽の生えたちくわをちょいとかじりながら、つゆをゴクリと飲む。いいサイクルができあがる。

24時間営業

430円(黒札)
なす天あじ天そば
珍しいナス天。たいていは縦に長く割いて揚げるものですが輪切りにしてかき揚げ風にしてある。なかなかうまいです。仕入れたなすが小ぶりだったときはこうするんでしょう。
この日のあじ天はあんまり身の厚くないあっさり痩せた鯵なので、他の天ぷらといっしょに食べるとちょうどよい感じ。2品盛りの名傍役といったところ。


評価は2点 ☆☆
ナス天+いんげん天そば
この組み合わせ、なかなかいける!これいいな。ちなみに本日の茄子は長い。

コロモの黄色は玉子のようだ。
丼ものもうまそうだ。

430円
ごぼう天昆布そば
ここの昆布、わたし大好きです。細切りの昆布がどっさりと乗ってくる。そばの量と遜色ないくらいたっぷり。麺のように細いから、そばといっしょにツルツルすする。大根の細切りをそばといっしょに食べるやりかたもありますが、それを彷彿とさせますね。うまいこともさることながら、昆布だけでもお腹いっぱいになるから、ダイエットに最適だと思います。路麺でダイエット、いいかもしれない。痩せたい人は外苑前の蕎麦ティーニ!!なんてね。

ゴボウ天もうまいです。ささがきタイプのごぼう。こちらも繊維たっぷりでヘルシー。

評価は2点 ☆☆
カレーつけめん(夏期限定)
このところ夏になると新作に意欲的な信越そば。今年は「カレーつけめん」。もりそばにバラ肉天をのせ、カレーをもりつゆで伸ばしたもの。

「ハネずに食べやすい」とカウンターに張り紙あり。これこれ、重要なポイント。カレーそばはシャツにはねちゃうからね。つけ汁ならばそういうこともない。マイルドめのカレーがそばつゆとよく合ってとてもうまかった。これ気に入りましたよ、また食べたい。

路麺ダー四人集まれば、お店の人を巻き込んでの立ち食いそば談義となるのは必然。

470円
評価は2点 ☆☆
年中無休、24時間営業。盆暮れ正月も休みなしのありがたいお店。
正月や盆休みのとき、やっぱり無性に路麺食べたくなる。そういうときはここにくる。

すっかり夏の定番となった冷やし細うどん。トマトとバラ天で黒プラ札(450円)。細うどんは都度茹でだからちょっと時間かかるがそこは余裕の笑顔で待つべし。お店のおじさんとデュエットで「いつまでも待つわ〜♪」なんて歌いながら。

そしてうれいいのがタバスコの復活(2015)。塩胡椒やハバネロペッパーもあるが、やはりこれでなくては。信越そばさんありがとうございます。

評価は3点 ☆☆☆
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