九段下 むさしの
むさしの
東西線・九段下駅、徒歩5分
「むさしの」という屋号の店は、九段下のほかに、下赤塚、鷺宮、江古田などいくつかあるが、どれかとの系列ではないようです。
■蕎麦、茹でめん、柔らかめ。白っぽく丸い断面。
■つゆ、ダシよし、口に含むと良い香り。ややしょっぱめ。
■かき揚げ、揚げ置き。春菊の細切れと海老が良い香り。コロモ厚くトロリとする。
サイドメニューに「いなり」「のり巻き」を注文するひとが圧倒的に多い。
注文方法がかなり独特、というかこの店以外でこの方式を見たことがない。手順は、
1、ご主人の前に縦列をつくる。
2、自分の番がくるまで何もしてはいけない。質問もNG。
3、自分が最前列に立つと、ご主人から「いらっしゃいませ」と挨拶がある。全ての客に挨拶するのが立派。
4、注文を告げる。「そば、かき揚げでおねがいします」みたいな感じ。
5、「360円です」とご主人が応えるので、カウンターに設置された券売機にお金を投入。
6、料理の種類ではなく、金額のボタンを押し券をカウンターに置く。300円券一枚+60円券一枚の計2枚。
7、お盆に丼が乗せられるのでそれを持って席につく。
こんなに複雑な手順かつ一切説明が無いのに誰も間違えない。なぜかというと、並んでいる間に前の人の手順を見てすっかり学習できてしまうからなのだ。これはすごいシステムだ。人間の学習能力に依存したシンプルな設計。このおかげでどんな複雑なトッピングの組み合わせも可能になるのと衛生的なのが利点なんでしょうか。
いろいろな意味で独自性の強いお店です。創業以来35年、化学調味料を使用せず、消費税をとらないという方針をつらぬいていると張り紙あり。無駄を省くためタネが売り切れると仕舞いになることもあるらしい。
360円
東京都千代田区飯田橋2-1-7 (日祝)休、7:00-9:30、11:00-14:30
評価は2点 ☆☆
冷やしたぬきそば
大震災のあとしばらく休業してたので心配だったんですが、復活して何より安堵いたしました。このお店はお昼時無茶苦茶混む。それは一人ずつ並んで注文し、ご主人の暗算した金額を券売機で買うという不思議なシステムのせいもあるかもしれませんが、なによりも、何度でも食べたくなる優しい味に絶大なる人気があるからだと思います。
創業以来35年、消費税と化学調味料を拒否しつづけてきたという気骨あるご主人がやってる。現在は二代目らしいです。
茹でめんは柔らかめで食べやすい。丼になみなみと張られたつゆ。冷やし用の甘辛いやつではありません。冷蔵庫で冷やしてますがそれほどキンキンではないです。キンキンに冷やすと味を濃くしないとわからなくなっちゃいますが、ちょっとぬるめくらいの温度だと普通の塩分糖分でも十分においしくいただけるんですね。
一口そばをすすっては、つゆをゴクリと飲む。これを繰り返すとおいしいです。化学調味料使わない鰹と利尻昆布のみで引かれたダシは香り高くまろやかな旨味。ちょっとさめたみそ汁を飲んだときのような自然なダシ感があります。とっても優しい味わい。
この「ぬるつゆ」の考え方は、信越そば@外苑前にも通ずるものがある。オヤジの胃袋と高血圧をいたわるご主人の優しさがそばつゆのダシに溶け込んでるんだと私は思うんですよ。だから何度でも食べたくなる。
もうちょっとパンチが欲しいときは、粗微塵鷹の爪とワサビをダブルで多めに使うといいですよ。
たぬきがボーロ状なのでちょっと食べにくいのが難点ですかね。こういうポロポロした揚げ玉はそばに絡まないので、つゆといっしょにズルズル飲むしかないのだよね。あ、そうか、でもこの店はつゆがズルズル飲めるからいいのか。。。ううーむ、これは意図的なものなのでしょうか(そんなことないね、笑)
たいていの人は、「いなり」「のり巻き」を注文する。両方注文する人も多いです。ごく太いのり巻きにはやや酸味のある干瓢がとても合う。けっこうこれボリュームあるんだ。おなか一杯になります。二つ頼む人が多いからといって惑わされぬよう。
そうそう、ここでそばをいただくと、食後しばらくは食道のあたりにダシの香りが残ってるんだなあ。ああ幸せ。
「サッポロめん」という麺業者さん
330円、のり巻き70円
評価は3点 ☆☆☆
いんげん天そば
むさしのつゆは、いわゆる蕎麦屋さんの出汁というよりも家庭料理の出汁に近いものを感じる。とてもいい。
好物のいんげん天をいただきました。ここのはコロモちょっと厚くふんわりとして、これはこれでまた独特のうまさがある。ちょっとずつ崩しながらそばとからめて食べるのがうまいです。
370円
評価は2点 ☆☆
ちくわ天そば
35年間化学調味料を使わず、消費税をとらない良心的なお店、もちろん熱心なファンが多い。
なみなみとタプンタプンになるまでつゆを張ってくれる。ご主人の心意気の証、ありがたく完飲させていただく。もっちりの太めそばによくあう。
コロモがうまい。ちくわの枯れ具合も申し分ない。そばと絶妙に合う。ずるずると一気に食べた後、ああおいしかったの息が自然と漏れる、そんな一杯だ。
350円
評価は3点 ☆☆☆
しょうが天そば
これはもう言うことなしのパーフェクトな一杯。なみなみたぷんたぷんのつゆは天然だしの香りと濃厚な味。よい加減の茹で麺にはわずかに蕎麦の香りあり。
そして紅生姜の天ぷら(ここでは「しょうが天」)は、ふっくらしたコロモに包まれたビリリと辛い紅生姜。コロモの甘さとの絶妙なバランス。
45年とのこと。素晴らしい。ずっと続けて欲しいお店だ。
11:40頃迄なら比較的空いているので、可能ならちょっと早めに行くのがおすすめ。
380円
評価は3点 ☆☆☆
冷やしたぬきそば
むさしののつゆは冷やしではややぼやけるところもあるが、わたしにはこれくらいがちょうどよい。ごくごく飲み干せる。
たぬきは変哲ないものだが主張すぎずこれもまたちょうどよい。
控えめな好バランスの一杯
評価は3点 ☆☆☆
いか天そば
むさしののメニューではもっとも単価のたかいのがいか天。値段にたがわず立派ないか天だ。幅広く大きく厚い、しっかりと衣をつけて揚がった姿は頼もしい。ひょろっとしたイカ天とは別格の趣あり。
ふかっとした食感が特長。そばを食べながらかじるのにちょうどよい柔らかさ加減で、私にはここのイカ天がベストだ。(稲浪も同様)
よいだしのつゆ、丼になみなみ張ってくれるうれしさ。
410円
評価は3点 ☆☆☆
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コメント
うーん、練馬
わからない〜
そもそも練馬に弱い
投稿: ケビン | 2010年7月24日 (土) 07時17分
やっこ
山喜
かすらん
投稿: soba | 2010年7月23日 (金) 18時16分
夜のみではありませんが、板橋のハリマオは夜遅くまでやってましたね。
練馬はどこだろう?
投稿: ケビン | 2010年7月23日 (金) 15時54分
鶴見は遠いですね。私が狙ってるのは板橋の専業店と練馬と昭島の兼業店です。
投稿: ケッタライダー | 2010年7月23日 (金) 15時12分
●ケッタライダーさん
夜のみ営業の店。たしか鶴見にあったような。
投稿: ケビン | 2010年7月23日 (金) 14時20分
暑い日は蕎麦つゆ飲んで塩分補給ですね。此処は美味しいので完飲します。
営業時間の件ですが、周辺にお勤めの客にとっては問題無い筈。早朝・昼過ぎ営業で助かっている人も多いのでは?
食べ歩きは半ば趣味ですから、難関店ほど挑戦し甲斐があります。目下の課題は、夜のみ営業の店です。
投稿: ケッタライダー | 2010年7月23日 (金) 13時57分
●HIROSさん
私の場合、斑鳩のスープを完飲すると、ものすごい倦怠感と膨満感におそわれますよ。
その点、そばのつゆは完飲しても汗になって排出されちゃいそうで安心ですね(笑
投稿: ケビン | 2010年7月23日 (金) 10時47分
ココは知らなかった
通りの向かい側の「斑鳩」にはしょちゅう行くんですが
しか~し
朝と昼で終了というのは・・・
投稿: HIROS | 2010年7月23日 (金) 10時43分
ああ、たしかにそうですね。
初音そばもきびしいけど
板橋のそばなりもきびしい。三度目に入れた。
二度目は、まだ閉店時間前なのに、「ごめんねー」と軽く
拒否されてしまいました。
投稿: ケビン | 2010年7月23日 (金) 10時17分
いやw
場所より時間ね
あの営業時間はきびしいすよ
投稿: あひる仮面 | 2010年7月23日 (金) 10時10分
●あひる仮面さん
あの場所はたしかに行きづらいです。
九段下のあたりは食べ物やさんがすくないんでしょうか。
昼時は超満員ですね。
のり巻きの「グタッ」とした外観が可愛いです。
投稿: ケビン | 2010年7月23日 (金) 10時05分
ツユのキレが素晴らしいです
好きな店だけど
なかなか行き辛い店でもあります
僕の定番は
春菊or山菜&のり巻き
あののり巻きがまたw
投稿: あひる仮面 | 2010年7月23日 (金) 08時10分