カワサキ車 大と中 ZZR1400 & ER-4n その1
久しぶりにバイクを試乗しました。
近所の行きつけのバイク屋に ER-4n の試乗車があるとききつけまして、息子と二人で試乗してきました。400ccだから中免でも乗れるからね。
おお、これはなかなかカッコ良い。ワインレッドが深みのある塗装で高級感あります。縦長のヘッドライトが印象的。好き嫌いがあると思うけど、私は気に入りました。縦長の上がロービーム、下がハイビーム。やや下方に位置してるので、もともと腰高感のあるER-4nを視覚的に低くみせてます。なかなか秀逸なデザイン。
欧州向け輸出車の ER-6を、車体はそのままでエンジンの内径x行程をスケールダウンしたものらしい。
コンパクトにまとまったデジタルタコメータとアナログスピードメータ、良い感じ。息子のビッグボーイはスピードメータしかないので、「やばい、タコメータあると気になって運転できるかなあ」なんて可愛い心配してますね。
このバイクは全体が個性のカタマリみたいなデザインですが、とくに目をひくのが、この片持ちサス。こういうふうに車体の外に追い出すことで、限りなく横置きに近くして、リンク無しでもモノサスにできたんだな。
エンジンは400ccDOHC2気筒。とても横幅が短い。息子は単気筒とばかり思っていたそうだ。たしかにそれくらい小さいエンジン。大昔の400とはえらい違いだ。
トラス式ダイヤモンドフレームとでもいうんでしょうか。そのおかげでエンジンの位置が低めにマウントされ低重心で取り扱いやすい。
エキパイがグネグネしている。低速トルクをかせぐために、ある程度の長さが必要なんでしょう。
サイレンサーが車体中央真下にあって、低重心化に貢献してる。ビューエルのような配置。これのおかげですっきりと後輪が見えて美しいです。
停止時には右足に少しだけ廃熱を感じましたが、たいしたことないです。
ということでさっそく試乗。
まずまたがってみると、173cmの私だと両足かかとまでべたっとつきます。ハンドルの位置はやや高め。ZRXよりも拳ひとつ分上にある感じ。それほど後退はしてません。ステップはやや前より。
ライディングポジションは、どちらかといえばオフ車に近い感じです。アルプスローダーを小さくしたような感じですね。
小柄な人にはちょっと足付き悪いかも。Ninja250Rのほうがはるかに足付きよかったです。
特筆すべきはシートが素晴らしいこと。前端が細くて、お尻の乗る部分がサドル型におにぎり形をしているので、足付きがよく、かつ尻の座りがよい。座面の素材はややザラザラ感があるので滑らずちょうどよい。このシートすごくいいです。きっと長距離ツーリングに威力発揮すると思います。
欧州ではER-6nが女性に人気らしいですが、欧州女性の巨大な(笑)お尻を支えるにはこれくらいの幅広さが必須なんだと思います。
シートって、ついつい後回しになっちゃうパーツですが、ハンドルとならんでものすごく大事な部分ですよね。なんたって最もライダーに密着しているんだから。なので、これはものすごく高評価。
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シフトレバーは、カワサキらしからぬストローク小さめでカチカチと節度をもったもの。これはいいわあ。カワサキやればできるじゃん。
ブレーキクラッチレバーはZRXに比べればかなり軽いです。
さて、発信してみると、おっ、これはスルスルと走る。ぜんぜん排気音が聞こえない。まるで電動バイクのようだ。スイーッと加速していく。2気筒とは思えぬスムーズさ。低重心なので直進安定性良いです。らくちんな感じ。
6000回転くらいまではトルク感乏しく、手応えが弱いですね。これはきっとインジェクションとイグナイタ、それから吸気バルブあたり(by スクラフィさん)を思い切って抑制しているにちがいない。いくらなんでも400なんだからもうちょっとパンチが欲しいところ。知らない人が乗ったら250とまちがえてしまうかも。
どうしたものかと思っていたところ、道路が空いたので思い切りスロットルをあけてみて驚いた。
なんと!このエンジン、2気筒なのにものすごくマワルのだ。10000回転まで普通に使える。パワーバンドは8000〜9500くらいでしょうか。このあたりだけを使って走るとものすごく元気よくて気持ちよい。怒濤の加速が始まる。
2スト250ccあたりを乗ってた人には懐かしのセッティングだ。これはこれなりに面白い。2ストと違うのはドッカーンと炸裂するのではなく、グワーっともりあがること。なのでピーキーで扱いにくいということはまったくありません。いつのまにか高回転で回ってるのを確認してビックリするという感じ。
排気音が小さい。高回転まで回してもものすごく静か。しかも振動が少ないので疲れないです。
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近所のミニ峠道へ。ワインディングでは、ちょっと腰高の印象は否めませんが、フロントサスが素直なのとリアサスの追随が良いので気持ちよくリーンウィズで曲がれる。十分に減速して進入すれば破綻すること無く自転車乗り風に気軽に走れる自然な足回り。
ややオーバースピードで攻めたいときは、コーナー進入直前で早めに「エイヤ」っといっきに傾けた方が気持ちよく曲がるのはカワサキならではの伝統の味付けですね。なかなか楽しいです。
ちょっと立ちが強いというか、ややリアステア気味に、気分はカウンター!の心意気で曲がるのが似合ってると思います。そういう意味でもオフ車に近いものがあると思う。
ブレーキは可もなく不可もなく必要十分といったところ。
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低速トルクが薄いのはスケールダウンの400版だからしかたないですね。そういうものと割り切って乗れば、軽くて低重心で取り回しが楽なので、街中やツーリングなど場所を選ばす気軽に乗れる良いバイクだと思います。
高回転を生かしてキビキビ走ることで、もう一つの顔を引き出せる。そんな2面性のあるバイクだと思いました。
そうですね、ものすごく強いて言えばBMWのF800シリーズに似たものを感じます。
だいぶ長くなってしまったので、ZZR1400試乗記は次回に繰り越します。
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コメント
●HIROSさん
昔、ヤマハRZに乗ってたのでわかります。コーナリング途中でもグイッとハンドルを切り足せる、あの感じですね。
カワサキに乗ったら、切り足せないので面食らったことを思い出しました。
ノーマルで乗る、というかもうブラックボックスなんですね。
ホンダのCB1100は驚くほど最大出力が低いのに1100ccも必要とするのはそういうところなんですね…
投稿: ケビン | 2010年9月30日 (木) 20時07分
MT-01
まさにハンドリングbyYAMAHAなんですよ
R1と通じるものがあります
欧州ではかなり人気があり強烈な個性を生かしたカスタムモデルがかなりありますよ
「インジェクション時代」
ようするにノーマルで乗る時代なんですね
エンジン開けるようなカスタムは終了という事です
だからハイパワーが必要なんですよ
勿論 極限までは使いませんよ
あくまでも余裕です
投稿: HIROS | 2010年9月30日 (木) 17時25分
●HIROSさん
MT01いいね。ときたま246で出会うやつが速え〜んだ。
まさに機関車のようなダッシュ。
確かに車体コンパクトで1700ccもあるようには見えないですね。
取り回しよさそう。
あれはなかなかのものです。
投稿: ケビン | 2010年9月30日 (木) 16時41分
MT-01
良いバイクです
実は私も買う寸前までいったのですが
乗ってみると400ccクラスの軽快さがあります
排気量も1700ccもあり重心が高そうなんですが実は低重心なんです
おまけにOHVでVツインなので低回転で怒涛のトルク
まさに機関車です
何故?買わなかったかって?
カウルが無いからです
ノンカウルでの巡航はせいぜい130止まり
空気の壁を切り裂いて走るイメージがほしくてZZRに決めたんです
TMAXはパラレルツイン
単コロで500ccじゃあ振動が多いので2気筒にしたわけですね
ヤマハもすごい技術でしたね
50対50の車体バランス
50度もあるバンク角
峠では無敵に近かったです(下り)
FCRかましたものですから加速もガイーン!でした
マフラーも特注のストレート
よく車検に通ったものです(笑)
車高UPキットもワンオフしました
(アンダーカウルを擦るので)
インジェクションになっちゃ~終わりです
排気量上げるしか最後はチューン方法が無いですから
コンピューターいじっても大して変わらないし
と言うことで200馬力を選択したのです
7千回転以上ははっきり言って怖いですよ
投稿: HIROS | 2010年9月30日 (木) 16時02分
●南行さん
カワサキも、恐る恐る売り出したってところでしょうか。二気筒のロードスポーツって昔から売れたためしないですからね。
よくできたバイクなんですよ。
オトナが乗ると似合うと思います。派手なカスタムしたりせずに素のままで。
投稿: ケビン | 2010年9月30日 (木) 09時33分
ER-6nって、デザイン、大きさ・車格、パワーからみてとても良いバイクだと思うんですが、売れないんですよねぇ。 この4nは中免対象なんでしょうが、面白いと思うんです。 この辺りを振り回して遊び倒すとバイクのホントの面白さが分かるハズなんですけどねぇ。。。
格好良い6n、4nって、レンタルが在れば試してみたいバイクです。 近々、バイクを買いそうな知人が居るので、これを押してみますデス。
投稿: 南行 | 2010年9月30日 (木) 08時39分
●たけさん
MT01の話し、すごいですね。たしかにあのエンジンだと停止状態でもあちこちカタカタなりそうです。
「バイク離れ」ではなく「新車離れ」なのではないかとの推理がますます確信をもってきたりして。
古いバイクか、外車でないと雰囲気ないんだよね~。
投稿: ケビン | 2010年9月30日 (木) 05時22分
こんばんは~
カワサキのツインは歴史が長いから期待してたんですけど、やっぱり音量規制の問題が大きいんでしょうねぇ
なんせヤマハのMT-01なんてサイドスタンドで止めた状態だと振動拾っちゃって音量検査通らないらしいですもん
やっぱり車と併せて持つって考えるとお金の事を抜きにすればKTMの125DUKEかなぁ
投稿: たけ | 2010年9月29日 (水) 23時51分
●HIROSさん
そでした、HIROSさんはTMAX500を限界までチューンしたんでしたっけね。最近のエンジンはちょっとやそっとではいじれないんですねー。
大排気量ツイン、いいですねえ、味があって。
いつかは乗ってみたいです。
投稿: ケビン | 2010年9月29日 (水) 19時55分
●甲斐猫さん
ドコドコ感は皆無ですが、スムーズなのは素晴らしい、まさに新世代のエンジンって感じです。
トライアンフのような気持ち良い振動があればいいんですけどね。
シフトはとても良い。驚くほど。カワサキやっと腰を上げてくれたみたいですね。どっこいしょ。
投稿: ケビン | 2010年9月29日 (水) 19時20分
●スクラフイさん
なるほど、セカンダリバルブが勝手に動いちゃうわけですか。言われてみればそんな感じがします。低速低回転では、ぜんぜんガソリンが吸い込まれてないような、糞づまったような気持ちの悪いマイルドさです。
そういった規制のない我らの霧吹きバイクは良いですなあ。
あはは。
\(^o^)/
投稿: ケビン | 2010年9月29日 (水) 19時16分
>ケビンさん
多分コンピューターチューンしても駄目だと思います
メカチューンと併用してやっとでしょう
つまり・・・
二台分かかります(笑)
あきらめて排気量の大きいバイクを選びましょう
>甲斐猫さん
最近のカワサキのエンジンはすばらしいです
昔のカワサキ車を知っている人は驚きますね
かく言う私もそうですが・・・
まず ねじやナットが錆びないです(笑)
回るツイン
わざわざ二気筒化してバランサーをつけて回るエンジンに仕立てています
四気筒は長距離が楽ですが如何せん重たくなるので軽快感が薄れます
やはり王道はツインで排気量大きいのが面白いと思います(ハーレー以外)
ギリギリまで回して走るのも面白いですが
反対に余裕のあるエンジンでマッタリも楽ですよ
投稿: HIROS | 2010年9月29日 (水) 18時21分
跨ったことはあるんだが、走らせたことはないのよね。いわゆるツインのドコドコ感を目指したバイクではなさそうだね。
600のほうは試してみたいなあ。
しかし、シフトタッチが良くなったのは良い傾向ですね。「カワサキ」だからいいもんね〜式のやり方は改めていただかなくては…。
かと言ってホンダみたいに非の打ち所がないと寂しくなっちゃうのかね。
ワガママですね…。
投稿: 甲斐猫 | 2010年9月29日 (水) 17時25分
エミッションコントロールシステムがninja250Rのようなやつなんでしょうか?
(デュアルスロットルのスロットルをいくら開いても、ECU制御下のスロットルが存在しててお仕着せマイルド仕様)
なんか、手強いですね(笑)
投稿: スクラフィー | 2010年9月29日 (水) 16時57分
●HIROSさん
日本の騒音規制は世界一厳しいそうですから、メーカーもたいへんですね。それでも外車は外圧でなんとかズルしてるんでしょうけど、国産はそうもいかないですから。
ところで、このバイクはおっしゃるとおりKTMあたりと競合するはずなんですけど、ちょっと物足りないです。
きっと、コンピュータチューニングすれば、もんのすごく元気なエンジンになりそうな気がします。あれだけ高回転がいいんだから、低回転だって元々は悪いはずがないと思うんです。
投稿: ケビン | 2010年9月29日 (水) 15時05分
最近のカワサキ車は排ガス規制が通らないので型落ちばかりが目立ちましたが
なかなか面白いバイクを作ってくれるようです
しかし・・・
パンチが無いですね
KTMのDukeなんか同系統のマシンだと思いますが
乗っていて楽しいんです
勿論排気量は違いますが2気筒エンジンでオンとオフの中間がモチーフ
多分乗っていて一番一体感を感じる車両だと思います
なんとなく最近の国産車はデザインも含めて面白くないです
バイクは元々個性を主張しながら乗るものです
カスタムも含めて一味違う車両が出てこないかなあ
私の場合峠グルグルより
「いかに楽して安全に長距離を移動できるか」なので現在の車両に落ち着いている訳なんです
勿論 いざとなったらアクセル一ひねりでドッカーンが必要ですが(笑)
投稿: HIROS | 2010年9月29日 (水) 12時59分