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2011年5月22日 (日)

ZRX1200R メンテナンス 高速でのエンスト対策 その2

ZRX1200の整備、続きです。前回の記事はこちら

高速巡航もしくはエンジン高回転を数分連続したところで発生する謎のエンストについて対策を続けております。

プスプスとエンジンが止まる症状がガス欠の状態とよく似ていること。停止後しばらく放置するとなにごともなかったように再起動すること。日常の使用域ではまったく問題なく、短時間であればエンジンは高回転まできれいにフケ上がること。冷間・温間とわずエンジン始動快調なこと。

以上のような状況から、電気系ではなく燃料供給系に問題があるのではないかと推測し「上から下へ」とひとつづつ進めることにしました。前回の燃料キャップはどうやらシロのようでしたので、今回はもうちょっと下へ、燃料タンクと燃料コックをあたってみます。

まずはタンクをおろす必要あり。ガソリンが少し残っているので排出しましょう。私はいつも一升瓶を使います。燃料ホースをはずしてコックの口をむき出したところの隙間に、ちょうど一升瓶の口がピタリと入るんだよね。

負圧コックであれば「PRI」の位置にすると燃料がちょろちょろと流れてくる。そうでないコックの場合は「RES」にあわせてください。

ツーリング先などで、ガス欠したバイクにガソリンをわけてあげるときなんかに便利ですので覚えておくといいかも。

タンクに水がたまってるのではないか?水はガソリンより重いのでタンクの底に溜まるから、燃料が少なくなると燃焼不調になる場合はこれを疑っては、とのご指摘がありました。どれどれと見てみると、排出されたものはガソリンだけですのでタンクはOKみたいです。

Img_1190

燃料を排出して軽くなったらタンクを取り外す。ここの画像は何度も載せてるので割愛。

タンクを逆さに置いて、燃料コックを外してみましょう。おおー、予想に反してストレーナ(燃料フィルタ)とてもきれいな状態でした。蜂のエキスでベトベトに詰まってるのではないかと想像してたんですが、そうでもなかった。蜂はガソリンに溶けないんでしょうかね。

タンクを逆さにして残ったガソリンを排出してみました。水は混じってませんね。さらにタンクを振って、異物(蜂)を排出しようと試みたのだけど、タンクてのは複雑な形状をしてるのもあって、いくら振っても蜂は出てこない。小さなカケラがちょっと出てくるだけです。水を入れてさらに振ってみましたが、いっこうに出てくる気配がなく、すっかりヘトヘトに疲れてしまいました。タンクって重くて大きいんだよね。

がんばってみたけど、蜂救出作戦あきらめました。まあ、ストレーナが詰まってなかったから、今後も問題ないだろうと、いつものとおりいい加減な理屈をつけて断念。というか疲れたのが本当の理由。体力ないなあ。。

Img_1192

▲上写真は古いコック。▼下写真は新しいコック。

私のブログ読者様ならご存知かもしれないですが、ZRXちゃんは本来黒いタンクだったのを青タンクにとりかえてます。そのときに燃料コックは中古のやつをヤフオクで買って取り付けたのでした。過去記事はこちら

つまり、燃料コックだけが古いんですよ私のバイクは。だから、こいつを真っ先に疑うべきなんですね。刻印には「05XX」とあるから、どうやら2005年製造のようだ。3年古いわけです。

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どうせだから古いコックを分解してみた。負圧コックてこういうしくみだったのね。

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これが負圧コックの心臓部▼下写真。左側のゴムパッキンが付いた円筒が弁です。左右に動きます。こいつが燃料経路の穴に挿入されて流路が遮断される。右側の丸いダイアフラムには通常はバネで弁を押さえつける力がかかっている。右側に負圧がかかるとダイアフラムと弁が右側に吸われて引っ張られ流路が開くわけですね。

ああ面白い。勉強になりました。

しかし!!古いコックを分解してみたけど、はたしてこれが壊れてるのか詰まってるのか、ぜんぜんわかりませんでした。これでいいのか?

Img_1276

ということで、新しいコックとタンクを組み付け、ガソリンをタンクにもどして作業完了。コックを分解しているあいだにタンク乾燥できたみたい。

ほんとはここですぐに試験走行したいのだけど、ちょっと我慢。なぜなら「春の交通安全運動」だからです。高速走行しないと試験にならないのだよね。実際には高回転を保てばそれでいいだけなので、速度は制限内で問題ないのだけど、なんとなく白バイやパトカーとはお近づきになりたくないのだ。ということで、数日延期。

。。。数日後。。。

ようやく試験走行できました。高速道路で2速固定5000〜6000回転を保って連続運転。もちろん制限速度内ですよ。延々と走ること5分。「おお!!止まらない、ガソリン流れてる!!」

数回試してみましたが、どうやらうまくいったみたいです。かすかに息継ぎすることが1、2度あったけどまあ正常の範囲内だと思う。

これはもしかして、対策成功だったのか???コックが不良かどうかよくわからなかっただけに半信半疑ではあります。推察するに「負圧弁が不良のため、高回転時に弁が開かず燃料が遮断される」ということなんでしょうか。通常走行では燃料確保されてるのだから、コックが詰まっているわけでないことは確かなので、負圧弁しか疑う箇所がないのだ。

しかし、通常走行では負圧弁は開いてるんだよね。負圧が強烈にかかったときだけ誤作動するっってことなんだろうか。うーんよくわからないけど状況証拠からするとそう結論づけるしかなさそうです。

追記:スクラフィーさんのコメントにあるとおり、スロットル開度大のときほど負圧は弱くなるそうです。負圧が弱いのでバキューム弁が閉まる、なので燃料が流れなくなる。というのが正しいとのこと。「高回転時に燃料が遮断される」という推理は正しかったことがわかりました。スクラフィーさんありがとうございます。

これがだめだったらさらに下、つまりキャブレターを開けなくてはならないと覚悟してたんですよ。フロート油面あたりを疑ってました。だからヘナヘナとくるような安堵感があります。

ほんとにこれでいいの?てな感じ。昨年暮れのガンダムツーリング以来およそ半年、苦節半年長かった。高速エンストが嫌になってすっかり出不精、せっかく甲斐さんがさそってくれた鰻ツーリングにも参加できなかったし。。。

でもここでぬか喜びはいけない。しばらくは経過観察します。


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コメント

はじめまして。本日、キャブ調整を兼ねてキャブのオーバーホールを行いました。無事に組み付けも終わり、いざ試運転・・・うお~。やって良かったキャブ調整、このまま、数キロの直線の空港連絡道路へ、しかし、全開でレブ迄回した所で、エンジンストップ・・・しかし、暫くすると、何事も無かったようにエンジン始動・・・やっぱ、素人がいじってもいい事無いな~と、思いながら帰宅。ネット検索の結果このサイトにたどり着きました。へ~負圧コックかぁ~・・・ん、負圧コック?・・・負圧のホース、つなぎ忘れてました。多分、これだな。とはいえ、本日、すでに一杯やりながらの閲覧・・・今日は、無理だなハハハ。こんな馬鹿男、気付かせて頂き有難うございます。主様には、感謝です。バイク屋に持ち込んで恥をかかずに済みました。なにかあった時には、またお世話になります。有難う御座いました。

投稿: みんなのハマグリ | 2013年6月28日 (金) 15時45分

●デビットさん

試験結果をお知らせくださってありがとうございます。
そうですか!PRIで快調ということは負圧コックまわりが怪しいとみて間違いなさそうですね。まずは簡単なところから負圧ホースを疑ってみてはどうでしょう。ホース固定のクランプあたりも。

投稿: ケビン | 2011年11月25日 (金) 19時44分

どうも!
先日プライマリーにして試走しました。
するとエンストどころか前まで気になってた低速のボコつきまでなくなりました!
ますます負圧・燃料系が怪しい感じなのでチェックしてみます。

投稿: デビット | 2011年11月25日 (金) 16時47分

●デビッドさん

負圧ホースの劣化という、とほほな場合もありますので。ご注意を。

投稿: ケビン | 2011年11月22日 (火) 19時58分

わかりました!
ありがとうございます

投稿: デビッド | 2011年11月22日 (火) 19時17分

●デビットさん

コックを「PRI」のまま試験走行してみてもんだいがなければ、かなりの確率で負圧コックがあやしいとおもいますよ。ご参考まで。

試験が終わったら「PRI」から戻してね。

投稿: ケビン | 2011年11月22日 (火) 19時07分

はじめまして。
偶然今僕も同じようなトラブルに合ってます。
中高回転域で走ってるとスロットルに回転が追いついて来なくなりエンストし、セルを回してもエンジンがかからないんですが暫くすると何事もなかったかのように動き出します。
今回このサイトの原因を見て参考になったのですぐ調べてみます!

投稿: デビット | 2011年11月22日 (火) 18時46分

●スクラフィーさん

見てみたところ、どうやらスロットルバルブより下流(エンジン側)みたいです、なので反比例するんですね。

勉強になります~

投稿: ケビン | 2011年5月24日 (火) 18時23分

負圧コックのオペレーションホースがどこに接続されて居るかに依ると思います

スロットルバルブより上流ならエンジン回転(スロットルバルブ開度)に比例して負圧が強くなると

スロットルバルブより下流なら、スロットル開度に概ね反比例するようにオモウス

投稿: スクラフィー | 2011年5月24日 (火) 15時55分

●HIROSさん

詰まった感じはないので、それは大丈夫なような気がします。なにしろ毎日乗ってますからね。へへへ。

投稿: ケビン | 2011年5月23日 (月) 14時51分

●スクラフィーさん

PRIで走行するとガソリンがあふれちゃいそうな気がして避けてたんですが、そうか!はじめからPRIで試験走行すれば完璧に比較試験できたんですね。なるほど〜

それよりも、スロットル開度大のときのほうが、負圧は小さくなるわけですか。。。!!ガガガ、大ショックです。

それさえ知っていればもっと早く対策うてたかもしれない。まったく知りませんでしたよ。

ベンチュリを絞るから流速が速くなる訳ですか?

いつもいつも勉強になります。ありがとうございます。

投稿: ケビン | 2011年5月23日 (月) 14時50分

●たけさん

なるほどねえ〜、タンクバッグですか。それは盲点ですね。そんなことがあろうとは。ホントに簡単でお金もかからないトラブルシューティングでしたね。参考になります。

投稿: ケビン | 2011年5月23日 (月) 14時47分

●葛飾のイタコさん

そんなこともあるんですねえ〜。勉強になります。

こういう部品は徹底的にコスト削減されてますから、不良品があってもおかしくなさそうな気がしますね。

投稿: ケビン | 2011年5月23日 (月) 14時45分

●甲斐さん

これで直ってくれればうれしいです。甲斐さんのアドバイスを実行するのに時間がかかりすぎました。

試験運転として、土曜日はミウラ半島へ、日曜日は大垂水峠経由で相模湖まで行ってきましたよ。なんとなく調子良いです。

投稿: ケビン | 2011年5月23日 (月) 14時44分

ついでにキャブクリーナーを大量にタンクにぶち込んで
強制清掃すると良いかも
地道にハイオクを使用する手もありますが・・・

投稿: HIRO’S | 2011年5月23日 (月) 12時05分

こんにちは、、たぶん、原因はコレですね(他人事)

うちのは、完全手動なんで、負圧式とは思わんかったです。

コック換えないで、PRIで走ってしまえば、おけー!(笑)

>通常走行では負圧弁は開いてるんだよね。負圧が強烈にかかったときだけ誤作動するっってことなんだろうか

スロットル開度(小)=インテークポート負圧(強)
スロットル開度(大)=インテークポート負圧(弱)

なので、負圧コック不調時→全開→燃料不足→ストール
ありうると思います。


さらに、エンジン回転数(空気吸入量)でコックの作動にも差がでます。

原チャで箱根に上るとき
過走行で圧縮落ちてることもあって、
中途半端な回転数で20キロくらい吹けなくなるんです。(スロットル全開でも、ハーフスロットルでも同じスピード)
全開だとストールしますがハーフスロットルならストールしない。

全開だと負圧コックが閉じちゃうみたいです。(17年目で56000キロの原チャ)

投稿: スクラフィー | 2011年5月22日 (日) 18時44分

 燃料コックってばらした事がないんで初めて見ましたけど、なんかおもちゃチックで面白そうですね
 燃料キャップの負圧弁はばらした事があって、でも特に変でもなかったんですが一応新品を入れてみて、結果タンクバッグで負圧弁の穴をふさいじゃってたって落ちでした
 一体どういう作りをしてるんだか不思議でしたけど、タンクバッグの裏に適当なプラキャップを切って貼り付けて完了でした
 答えは意外と簡単なところに転がってるのかも知れないですね~

投稿: たけ | 2011年5月22日 (日) 16時00分

ケビンさん
zrx1200の燃料コックってこんなんなってんですか!勉強になります。私の場合、以前こんなことがありました。ZRX買って3ヶ月目位の時燃料コックが動かないことに気づき購入店で見てもらいました。するとなんとゆうことでしょう・・・写真のゴムパッキンが癒着していたのです。頻繁に回す場所ではありませんが、たまに回す必要がありそうです。これでAE0km/ph巡航できますね?

投稿: 葛飾のイタコ | 2011年5月22日 (日) 15時24分

そうですね、これで収まってくれれば良いのだけどね。ところで、高回転でぶん回したら、豈図らんやエンジンが快調になりました。たまには回さなきゃだめだね。

投稿: ケビン | 2011年5月22日 (日) 10時35分

やっぱり中古コックの動きが渋かったんじゃないのかね。前オーナーが新品に交換して不良モノをヤフオクに出していたりしてな…。

試走はダム・カフェかな…いやいや葡萄狩りという手もある( ̄ー ̄)ニヤリ

投稿: 甲斐猫 | 2011年5月22日 (日) 09時43分

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