« 四ッ谷 政吉そば 冷やし小海老天そば 【閉店->再開】 | トップページ | 反町 蕎麦源 »

2011年7月17日 (日)

ZRX1200R のお手入れ 右手の友、その2

突然ですが、ブログ読者様のシュリケンさんから、ZRX1200R用のステンメッシュブレーキホースを頂きました。うれしいです。ありがとうございます。

20110704221243

ちなみにこちらがシュリケン号、欧州仕様でしょうか、このグリーン好きなんだよねえ。国内仕様のライムグリーンより落ち着いて渋くていいです。

20110713163620

ところで私は、これまで実のところステンメッシュにはあまり興味がなくて(ゴメン)、どちらかといえば無難な純正派だったんです。ただ単にバイク屋さんが面倒見の良い方だったからというのと、自分でいじるのに躊躇していたという、まあ消極的な理由です。

しかし、先日ブレーキパッドを自分で交換してみたら、効きがはっきりと実感できるほど良くなったのに多少の驚きがあって、ブレーキまわりのメンテナンスというかライトチューンというか、ちょっとした工夫と努力で効果があるものだと、むくむくと興味が湧いてきたところだったんですよ。もちろん、その影にはスクラフィ師匠の存在が絶大なのは言うまでもありません(ちょっとゴマスリ)

なのでシュリケンさんからメール頂いたときは小躍りしちゃいました。

さてここで問題になるのは交換作業です。もちろんお店でやってもらえば安心で簡単なのは言うまでもないですが、それではまったくこれまでの消極路線の延長でしかありませんし、ただ単に高価な社外部品を買ってショップで施工してもらい、お金で解決するだけという、あんまり私の好きでない札束オラオラ改造自慢モードに突入してしまうわけです。

そんなことするくらいなら、純正主義を貫いたほうがマシだと、まあそういう屁のようなこだわりがあることはある。

なのでここはウーンと悩みましたが、シュリケンさんのご厚意に報いるためには自分でやらねばいかん。と決心いたしまして、さっそくホースを交換してみました。悩むのには延々と時間かかるが、決断すると早いのが私の特性ですね。

このところ右手に直結する場所ばかり攻めてるなあ(笑)

Img_1771

スクラフィ師匠の受け売りですが、自分でいじるときの基本は、いざとなってもすぐに撤収して引き返す、あるいはお店に駆け込める、そういう余地を残した、いわば「先読み段取り」で望むことにあります。

なので、ブレーキフルードをいじるからには、リザーブタンクキャップが開くかどうか、固着していないかを真っ先に確認する必要あり。フルードを下から抜いたあとで上が開かないことに気付いてもアウト。ブレーキはすでに使えない状態にあるから、レッカーでも呼ばないことには移動すらできなくなる。オイル交換でも同じことです。抜いちゃってから気付いても遅いのだ。

いつもながらスクラフィ師匠の教えは実践的で役立つなあ。

キャップを開けて、周りをウェスで養生する。フルードが周囲にかからないようにするためです。▲上写真

キャリパーのエア抜きプラグにホースをつなぎ、ブレーキレバーをシュコシュコ握ると古いフルードが抜ける。かなり茶色く変色してるのでちょうど交換時期だったみたい。

あらかた抜けたところでバンジョーボルトをゆるめてホースをとりはずす。▼下写真。
このときに締め付けトルクの感覚を覚えておくといいですね。1/4〜1/8くらいキュッとする感じです。

Img_1772

古いホースをとりはずして、新しいものに交換する。作業中の写真が少なくてすみません。手がフルードでベタベタだったので。

純正では、マスターシリンダーから一本出たホースを三つ又のところで2つに分岐するようになってます。カウルの下端から覗くと見る事ができます。

ここの分岐金具を外しとったところの脇を通す。▼下写真

ちなみに新しいホースはマスターシリンダーから二本出しするタイプです。汎用部品ではこういう取り回しが一般的みたいですね。

追記:当初「ここをくぐらせるようにする」と書きましたが、これは危険ですので絶対にやめてください。この箇所はハンドルに連動するロック用の金具部品が動く箇所で、隙間が少ないため干渉して最悪の場合ホースが切断されることがあります。当初の記述は間違いでした。翌日なにげなくチェックしていて気がつきました。危険ですので注意してください。▼下写真は対策後のものです。

Img_1804_2

ホースを交換するときには、事前に仮り組をして取り回しを何度もチェックしたほうがよいと思います。ちょっと向きを変えるだけでフォークに干渉したり、レバーにぶつかったりしますので、ボルトを手で軽くしめてあれこれと考える。これが楽しいです。

ようやく取り回しが決まったので、バンジョーボルトに新品のワッシャを組み込んで締める。外したときのトルクと同じような感じでやればトルクレンチなくてもできますね。初心者は締めすぎてボルトをナメてしまうので、そちらのほうを注意したほうがよいです。

バンジョーボルトのワッシャは締めると変形して密閉を保つものなので、古いワッシャは再使用せず、必ず新しいワッシャを使ってください。ひとつ50円くらいかな。

ちなみに、私はこのためにメガネレンチを購入しました。こうやって必要な工具をひとつずつ揃えていくのも楽しいです。ホームセンターの格安セット品を買うよりも、ちょっと高いけどまともな工具を少しずつ買うほうが、かえって経済的だと思う。とはいってもsnap-onなんか高すぎるのでKTCのやつです。それでもメガネレンチ一本で1500円くらいするから高いといえば高い。

▼下写真は、エア抜きをしているところ。

Img_1773

エア抜き手順はこんな具合です。

1、リザーバタンクに新しいブレーキフルードを満たす。私は心配だったので、こぼれないようにフタを軽くしめときました。

2、メガネレンチをエア抜きプラグのボルトにセットしてから、透明ホース(内径5ミリ)をプラグにつなげ、空き缶やボトルなどで受ける。このときあんまり軽いペットボトルだと倒れちゃうので、オイルの四角い缶のほうがよいです。私は失敗して、コロコロ転げて困りました。

3、エア抜きプラグをゆるめ、ブレーキレバーをシュコシュコと握っては放す。そうするとホースからフルードとともに空気のかたまりが出てきます。10回くらいポンピングしたら、ブレーキレバーを握ったままプラグを締め、しばし(30秒くらい)放置。

4、3の作業を空気が出なくなるまで繰り返す。

5、このときに、リザーバタンクには常にフルードが満たされていること。うっかり空にしちゃうと、上から空気が入ってきてしまって、もとの木阿弥です。排出されるフルードの量を見計らいながらつぎ足してください。私は2回足しました。▼下写真

6、反対側のキャリパで同じ作業を行う。片側でエアが抜けてると、反対側は比較的簡単にいきます。

7、このあと、ブレーキレバーをバンドで固定して握った状態のまま一晩放置しておくと、上から空気が抜けるそうですが、私はやってません。

8、ブレーキフルードは塗装を痛めますので、こぼれたらウェスでふきとってください。一瞬で塗装がはがれるようなものではないですから安心を。作業が終わったら水で洗い流すと完璧だと思います。

Img_1774

ようやく完成。こんな感じになりました。おお!いい感じではないですか!シュリケンさんありがとう〜。大感謝。

Img_1776


Img_1777


Img_1778

ブレーキレバーを握ってみて、固い手応えがあるかどうか確認。

結合部やホースにフルードの漏れ、にじみがないかどうか確認。

次に、歩きながら取り回してみます。慎重に、慎重に。
ギアを一速にいれてクラッチを握ったまま歩いて取り回す。こうすればブレーキがなくてもクラッチつなげば止まりますからね。

よしオッケー!

----------------

さて、さっそく試乗してみましょう。

お!スゴくイイ!、握りに応じてジワッと効く。ZRXの6ポッドトキコ。こんなに効くブレーキだったのか。驚きの再発見。

よく言われることですが、ステンメッシュは膨張しにいので、フルードの圧力がホースを膨張させるチカラとして逃げない。握りはじめからダイレクトにキャリパーに圧が伝わるのがわかる。バイクは手で握るから圧倒的に実感できます。

純正ホースでは握ってからしばらくはあんまりブレーキ効かず、最後のさいごでカクンと効く感じだったので、どうもいまひとつだったのだよね。まあそれがダルくてちょうど良いという効果もないわけではないのですけどね。

最後まで強く握り込まなくてもいいので、微妙な調節ができるようにレバーの角度をちょっと遠めにしました。

唐突なカックンが解消されたので、ちょっとしたパニックブレーキでもコントローラブルなのがいいです。

これまでいろいろなバイクに試乗すればするほど、ZRXのエンジンやポジションにはまったく問題は感じなかったのだけど、唯一の不満はブレーキでした。これでいっきょに改善された。ZZR1400のブレーキいいなあと指をくわえてたんですが、かなりいいとこまで近づけたと思う。

ブレンボマスター&キャリパーのスーパースポーツに比べればお話にならないレベルですが、まあまあのこれくらいなら満足できるところまでこれたかな。という感じ。

ものすごく満足度高い作業でした。

費用はブレーキ液とワッシャで1500円なり。ブレーキ液はホンダのやつが500ml千円で一番安かった。まだたくさん残ってるので、何回か使えます。

あ、そうだ。リアはまだ交換してません。フロントにまったく問題ないと確信できるまではリアは安心の保険としてそのままにしときます。そんなに自分の腕を信じてないのだ。


|

« 四ッ谷 政吉そば 冷やし小海老天そば 【閉店->再開】 | トップページ | 反町 蕎麦源 »

バイク」カテゴリの記事

コメント

●ばかぼんさん

いえいえ、ばかぼんさんのことだから、ミスしても何か新しい発見があるとおもいます

投稿: ケビン | 2011年7月18日 (月) 12時35分

バイクいじり好きな友人がいるおかげですー
一人じゃ何もできないヘタレで、、
というか、雑なのでしょうもないミスをしでかします(笑)

こつこつとポイント抑えて慎重に物事が進められるケビンさんの性格がうらやましい。。
工具も私は安物買いの銭失いパターン!

投稿: ばかぼん | 2011年7月18日 (月) 12時16分

●ばかぼんさん

そうですか〜、それはさぞやXJRクンも喜んでることでしょう。

しかし、盛り沢山のメニューですね。それだけのことができちゃうなんてすごいです!尊敬のマナザシ

投稿: ケビン | 2011年7月18日 (月) 10時20分

私もやる気になりました。
Tiger800に心引かれて手放そうかと思っていた XJR。
やっぱり、お盆休みに手をかけてあげることにしました。
職人(友人)の予定も押さえたし、部品も手配したし、
フォークシール交換、クラッチ、キャリパメンテあたりから。
あ、Rタイヤも替えないとだーー!


投稿: ばかぼん | 2011年7月18日 (月) 07時55分

●たけさん

DIYって、勢いつくといろいろやりたくなるんですけど、やる気がなくなると半年くらい平気でストップしちゃいますね。私はどうも寒くなるとダメです。暖房のあるガレージとかあったらな〜、なんて夢。

投稿: ケビン | 2011年7月18日 (月) 07時36分

●シュリケンさん

1400GTRの流用ですか!それはいいことを聞きました。きっとZZR1400と同じニッシンですね。

YZF-R6やZX-10Rのが使えると聞いたこともありますけど。どれがいいのか、研究しがいありますね。

投稿: ケビン | 2011年7月18日 (月) 07時34分

 こんばんは~

 一気にDIYが進んでますね
 ブレーキホース、自分もメッシュに交換してましたけど、握り具合が良くわかってパニックブレーキの時でも握りごけしにくいですよね
 あぁ、早くバイクに復帰できる方法ないかなぁ・・・

投稿: たけ | 2011年7月18日 (月) 01時35分

お役にたててよかったです!

マスターですがブレンボやベルリンガーじゃなくても1400GTRあたりが流用出来ますよ!値段も安くすみますしね

投稿: シュリケン | 2011年7月17日 (日) 21時12分

●のびたさん

そうか、水をかけるのなら簡単ですね。ファブリーズのボトルかなんかを使えばいいかも。

私はリザーブタンクにフタしといたので、はからずも助かったのかもしれないです。

投稿: ケビン | 2011年7月17日 (日) 19時22分

●シュリケンさん

おおー、ありがとうございました~

シュリケンサンのおかげでたくさん楽しませてもらいました。大感謝!

ラジポンもおもしろいね。ボチボチとやってみたいです(笑

投稿: ケビン | 2011年7月17日 (日) 19時20分

追記です。

霧吹きって
中身のなくなった
お風呂とかトイレの洗剤ボトル
水洗いして使っています。

投稿: のびた | 2011年7月17日 (日) 18時37分

ブレーキフルードが
塗装を剥がしちゃうなんて
最近知ったんですよ(^_^;)

入れ替えしているとリザーブから
吹き返したりしませんか?
あらぬところに飛び散っていたりして
タンクの塗装がスポットで剥がれたり
知らないうちに塗装を痛めてショック!
フルードは水溶性のものが多いので
水洗いでいいんですが
水かけちゃうとハンドル周りって
電装あるし水浸しも大変になるので
霧吹きで霧吹きながらながら
ウエスで受けながら拭き取っていきます。
たっぷりかけたいところ
いちおう気になるところと
調節できるから便利ですよ。

投稿: のびた | 2011年7月17日 (日) 18時34分

おお〜!もう付けられたのですね〜!無事終わってよかったです。

ゴムバンドやっておくとボルトから滲みが確認出来るので一晩でもやるといいかもしれませんよ。
次はラジポンですね〜
機会があればうちの握ってみますか?

投稿: シュリケン | 2011年7月17日 (日) 17時54分

●HIROSさん

ZZRのニッシンマスターも十分にいい感じでしたよ。

ひろさんの言うとおり、変えるとしたらマスターシリンダーでしょうね。私も今回簡単なところから手を付けてみたのだけど、キャリパーは純正でもけっこうポテンシャル高いことがわかりましたので、あとは握り込んだジワリ具合をどうするかで、これはラジアルマスターなんでしょうね。

投稿: ケビン | 2011年7月17日 (日) 15時10分

ZZRの場合”ラジアルマスター”である部分がブレーキの利きやタッチに貢献していると思います
300キロでるバイクを止めるのですからブレーキは利いて当然
私もステンメッシュ導入を当初考えておりましたが
超高速域ではダイレクト感がかえって危険に通じると判断してノーマルです
最近のスーパースポーツはブレーーキの前後比率が
9:1~8:2程度ですのでリアはコーナーリングのきっかけ作り程度しか使用しません

ブレーキの利きに関しては
・ブレーキそのもののシステム
・ホース
・キャリパー
が関係してきますが実はタイヤの選択も重要な要素です
タイヤをブレーキ性能で選ぶと結構変化がありますよ

私の場合 もしシステムを変更するとしたらマスター側のみブレンボにするかもしれません
ググッと握りこんでもジワーとくる感触はブレンボにしかありません
10諭吉程かかるので躊躇しています
バイクの性能は上がるばかりですが乗り手がヘタレになりつつありますので(笑)

走行距離も伸び悩んでいます
去年より酷暑ですから・・・
夜練でもするしかなさそうですが夜はビール部の練習があるのでなかなかバイクに乗れません(爆)

投稿: HIROS | 2011年7月17日 (日) 13時53分

●スさん

師匠の教えをかみしめる弟子です。

スさんが近くにいるというだけで、なんだかとても心強いのです。いざとなったら助けを呼べるという安心感は何物にもかえられません。

パーツクリーナーか!なるほど確かにそうですね、これはまたひとつ良いことを教えてもらいました、ありがとう。

投稿: ケビン | 2011年7月17日 (日) 13時40分

●甲斐さん

ブレーキは生死に直結なので躊躇してたんですが、事前に予習と準備をしておけば私にもできるかもしれない、と思ってやってみました。なんとかうまくできてほんとにほっと安堵しております。

ブレーキ、かなり軽くなりました。もしかしたらクラッチも軽くなるかも、指怪我した貴兄には効果あるかもね。

投稿: ケビン | 2011年7月17日 (日) 13時36分

●のびたさん

エンジンのヘッドバラしちゃうのびたさんからすれば、目をつぶってできちゃいそうなことですが、私にはちょうどやりがいのある面白いイジリです。

ラジポンいいですね、ブレンボじゃなくてニッシンでいいからつけたくなってきた。どこかで偶然手に入れられるまで待つことにします。

投稿: ケビン | 2011年7月17日 (日) 13時32分

お疲れ様でした

ワタシは、ブレーキフルードをこぼしたら、ブレーキクリーナーで洗浄して、後からワックスしてます

ブレーキいじりですから、必ずブレーキクリーナー有ります(笑)

投稿: ス | 2011年7月17日 (日) 12時03分

なんか…兄弟のバイクいじりも一つ上のステップに突入した感がありますね。イイコトです。

投稿: 甲斐猫 | 2011年7月17日 (日) 11時38分

暑そうですね~
なぜか暑くなるとこういう
地道な作業がしたくなるんでしょうね~
乗りたいけれど乗りたくない
けどバイクいじっていたいからでしょうか?

ラジポンの操作感を知ってしまうと
コスト抜きに考えちゃいますが
バイクとの対価も考慮しますよね。

投稿: のびた | 2011年7月17日 (日) 10時59分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ZRX1200R のお手入れ 右手の友、その2:

« 四ッ谷 政吉そば 冷やし小海老天そば 【閉店->再開】 | トップページ | 反町 蕎麦源 »