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2012年2月17日 (金)

調布深大寺 大當りや(あたりや)

大當りや(あたりや)

調布深大寺

落語家の柳家喬太郎師匠プロデュースのお店、江戸時代の屋台そば屋の風情、時そばの世界を再現したもの。屋号の「大當りや(あたりや)」は喬太郎師匠の時そばを聞いた事あるひとならすぐにピンときたはず。

水神苑という蕎麦屋さんが営業するイベントコーナーのようなもので、広い敷地の一角にある。値段からみると立ち食いそばではなくむしろ普通の蕎麦屋さんなのですが、露店なのでいちおう路麺と分類しましょう。

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しっぽくそば。長崎の卓袱(しっぽく)料理に名前だけあやかって江戸時代に考案された種モノだそうです。車麩、煮しいたけ、ちくわ天ぷら、青菜。茹で立ての生蕎麦によくダシの効いたつゆの本格的なものでした。こんにちの「おかめそば」の原型でしょうか。しっぽくそば本来のタネはちくわのみとのこと。落語の中でもちくわの厚切りを褒める場面がありますね。

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メニューも落語と同じく江戸時代からある伝統的な種物。しっぽく、花巻、そしてかけの三種。

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楽しいご主人、喬太郎師匠とは長年一緒に働いた仲だそうです。ご自身も落語にお詳しい。喬太郎師匠は二つ目のときまでこのお店(銀座の支店)で働いていたとのこと。

私も落語好きなほうなので、ひとしきり話し込みました。

茶目なご主人で、お釣りの札を数えるのに、目の前でゆっくりと「いち、にい、さん、、」と落語のようにやってくれる。私はもちろんごまかされなかったですけどね。

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表通りに近い場所でひときわ目立つのは江戸時代初期のものを復元したそば屋台。内側には七輪、鍋などをコンパクトに収納したスタイル。天秤棒を通して肩にかついで移動するものだった。深川の江戸博物館にも同じようなものが展示されています。

これができたおかげで江戸の街中で暖かいものが手軽に食べられるようになった。日本の庶民の食文化において画期的な出来事だったわけですね。

この頃の屋台そばは蕎麦を蒸し置き、もしくは茹で置いたもので、客に供す直前に湯がいて温め、温かいつゆをぶっかける、今日の立ち食いそば屋の茹でめんスタイルに近いものだったらしい。「かけ」という言葉はここから生まれた。ちなみに当初はつめたいつゆに冷たい蕎麦だったようです。

いっぽう、18世紀後半からお店で座って食べるそば屋が爆発的に増加し、屋台蕎麦は衰退していく。店舗の蕎麦屋は江戸初期にはほとんどみられなかったものが、19世紀後半には数千軒に増えたとのこと。魚介類を素材に使った天ぷらなどのタネものが考案され料理としての体裁を整えてゆく。こんにちの普通の蕎麦屋さんとほぼ近いかたちがこの頃に完成された。

こうしてみると、いわば「立ち食いそば」のほうが古くから確立した正統的なそば屋だった。立ち食いそばは決して普通の蕎麦屋の派生物ではない、といえるのです。

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深大寺門前にはたくさんの蕎麦屋さんがあるので休みの日には出かけてはどうでしょうか。江戸情緒を多少なりとも味わえると思います。博物館と違っておいしい蕎麦が実際に食えるわけですからね。駅からは遠いですが駐車場があるのでクルマでも行き易いです。

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800円

調布市深大寺元町5-10-6 土日祝のみ営業、11:30-18:00(16:00-17:00休憩)

評価は3点 ☆☆☆

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コメント

●sobaさん

そばさんの語り口は天然の噺家さんです。寄席に行くより面白い。

投稿: ケビン | 2012年2月18日 (土) 08時51分

ひーふみよー
ごの
なんどきだい???
六つどきだい
七八・・・
ってはいよ、おつり

はい おおあたり って

なかなかいいっすね

ちょっと違う??か(笑)

投稿: soba | 2012年2月17日 (金) 23時48分

●カツ丼さん

ただ博物館に展示してあるんじゃなくて、実際に食べられるってところがいいですよね。食文化は食べて伝えなければ迫力ないものね。当時の蕎麦とは全然ちがいますが、楽しかったです。

投稿: ケビン | 2012年2月17日 (金) 23時14分

江戸時代の屋台そばが400年の時代を越えて、現在の路麺(立ち食いそば)として存在している

このようにして改めて記事で拝見すると、実に感慨深いです。

ケビンさんの蕎麦道のルーツを見る思いです。

投稿: カツ丼 | 2012年2月17日 (金) 22時39分

●ZRX1100乗りさん

神奈川から行くのはちっと不便で、府中街道を北上するのもいいけど、環八まで第三京浜で戻るのも悪くないかもしれません。

投稿: ケビン | 2012年2月17日 (金) 20時53分

とてもよい風情の店ですね~
2月28日(火)JR横浜駅南口改札内に
そば屋(濱そば)OPENですね

投稿: ZRX1100乗り | 2012年2月17日 (金) 17時48分

●LM2さん

埠頭の田舎そば、残念ですね。
どこかで元気にやっていてくれればいいんですが。

投稿: ケビン | 2012年2月17日 (金) 14時29分

●HIROSさん

あのあたりは広々としてるので、よい背景がありそうですね。

投稿: ケビン | 2012年2月17日 (金) 14時28分

●高野さん

ちょっと北の大沢のあたり(天文台の近く)には、天然のホタルが見られるらしいですね。夏になったら夕涼みに歩くのもいいかもしれません。

投稿: ケビン | 2012年2月17日 (金) 14時27分

●nopogoroさん

ようやく念願かなって食べる事ができました。ますます寒くなってきて辛かったです。天気はよかったですが、私以外にお客さんいませんでしたね。午後2時ころでしたが。

投稿: ケビン | 2012年2月17日 (金) 14時26分

●舞栗さん

食べログなんかアテにしちゃいやん

投稿: ケビン | 2012年2月17日 (金) 14時24分

●LM2さん

深大寺は蕎麦屋ばかりなので、「リゾート系路麺」というよりも、「蕎麦テーマパーク」と言ったほうが正しいかもしれませんね。とてもじゃないけど食べきれないです。

投稿: ケビン | 2012年2月17日 (金) 14時24分

●ばかぼんさん

うまくちょろまかしてください。Good luck !

投稿: ケビン | 2012年2月17日 (金) 14時23分

■舞栗さん
蕎麦道mapにも反映されていますが、「閉店、小田原厚木道路、平塚PAに移動」ってことで、この前までホーページが生きていて、そのことが載っていたんですけどね。

投稿: LM2 | 2012年2月17日 (金) 13時22分

深大寺には撮影の仕事で年に2回程行きますが
まったく気づきませんでした
何時ごろから営業していたんだろうか?

深大寺にあるお蕎麦屋さんって
夕方5時頃になると一斉に閉まっちゃうんですよ
夕飯という感覚無いのかな?

私のお気に入りは「多門」
結構量もあってGOOD!

投稿: HIRO’S | 2012年2月17日 (金) 11時38分

江戸といえば夜鷹そば。

春とか秋に吉祥寺からバスに揺られて
深大寺へは観光気分。
そのあと野川沿いを散歩しながら北上し、
終点は武蔵小金井。
とても気持ちいいですよ。

投稿: 高野 | 2012年2月17日 (金) 11時37分

今は寒くてお客さんの入りが良くないとおっしゃってました。
でも寒い時こそ、外で食べる熱い蕎麦が美味しく感じるんですけどね〜。
近所の有名店は、寒い中外で並んでいるのに。(笑)
青菜は『大江戸菜』だそうです。
そして『荒天の日も休業』なんですよね。

投稿: nopogoro | 2012年2月17日 (金) 11時26分

「土日祝」のみの営業でしたか。
”食べログ”の情報見落としてました(笑)
平日にうっかり出掛けないで済みました。

LM2さん、埠頭のそばってなくなっちゃたんですか。
いずれチャンスもあろうかと、気にはしてたんですが。

投稿: 舞 栗 | 2012年2月17日 (金) 07時58分

うぅ、行きた~い。そのうち、行こう♪
この店では実際には移動式じゃないけど、「埠頭の田舎そば」もなくなっちゃったし、関東では移動式の路麺ってなくなっちゃいましたね。
(どこかのPAでやってたみたいだけど、今やホームページも見当たらない)

投稿: LM2 | 2012年2月17日 (金) 06時38分

お麩良いなぁ。1万円札握って行きます!

投稿: ばかぼん | 2012年2月17日 (金) 06時26分

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