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2013年9月21日 (土)

日本橋 よもだそば 新作つゆ試食

よもだそばさんにはいつもいろいろと無理なお願いをきいていただいております。宴会場貸し切りとか、創作メニューの限定販売とか、自家製麺の試食とか、その他いろいろ。

つい最近小耳にはさんだところでは、つゆの刷新をはかるとのこと。これまで毎年のように改良されていて、昆布ダシを増強したりカエシを濃くしたりといろいろ工夫してきたのだが、ついに最後の一手ともいえる「無化調」に挑むらしい。

わたしはよもだそばのつゆ好きで、いわゆる茹でめん系のつゆではあるものの、六文などのガツン汁とは一線を画したマイルドでやや濃いめの味が自家製麺と調和しており立ち食いそばのつゆとしては完成の域にあるものと感じておりましたが、よもだそばさんとしては化調の良さは認めつつも、さらにもう一歩飛躍したいとの熱意で鋭意研究されてきたとのこと。そこでいつものごとく「古いつゆと新しい無化調つゆの比較試食会をやらせてくださいよ」と無理なお願いをねじ込んだところ、快く引き受けてくだる。ならばこちらもと、味覚に優れた精鋭路麺ダーを連ねて試食会に参加した次第。

すでに店販売では新ツユに切り替わっているため、古いつゆのカエシを保管していただいた。これを温かけそばで新しい無化調つゆと比較。ダシはまったく同じものを使う。

いやすごかった、こうやって並べて比較すると一目瞭然。

まず、第一に化調はうまい。これは皮肉でもなんでもなく、ひとくち含んだときに「ああうまい」とカラダが反応する。そして味わいが口の中に充満する。粘膜をすべてコーティングされ、ひとつひとつの味蕾に旨味が充填されたような幸福感が訪れる。他の味や香りをすべて差し置いて、旨味成分が口の中を支配する。そしてこれが最重要ポイントだが、飲み終えた後の口の中にうまさがずっと残っている。

かたや無化調。まずひとくち含んで真っ先に感ずるのは鰹ダシの香り。やがて醤油のこうばしさ、それから鰹節独特の酸味きいた旨味、さらには昆布ダシの控えめだがズシリとくる旨味、これらの要素がどれもこれもはっきりと特徴をもって伝わってくる。単純なうまさというよりは複雑で重層的なハーモニーとしての楽しさだ。最後に飲み込んだあとの口の中には先ほどまでのハーモニーはスッと消え去りかすかなダシの香りが残る。

化調の魔力とでもいえましょう。ぐいぐいと旨味の極限を目指して引っ張る牽引役ではあるが単調。かたや、いっけん弱々しい印象ではあるがそれぞれの素材どうしのハーモニーで複雑な旨味世界を構築する。目にも鮮やかな違いをまざまざと汁、いや知ることができました。楽しくかつ勉強になる機会を与えていただき感謝のことばもありません。

もちろん試食会の後はグダグダとした宴会モードに突入したことは言うまでもないです。

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