ホンダ CBR1000RR(SC57) インプレ
借り物でしばらく遊ばせてもらっている。CBR1000RR(SC57)。
もうCBR1000RR最高す!こいつより速い乗り物は地球上に存在しないといっていい。そんな感じ。とはいっても、これでR1に乗れば「R1世界最高!」、GSXR1000にのれば「スズキ一番!」と言うに決まってますけどね、てきとーな人間なので(^^;
私はどうも首が具合悪くて、それほど上向けない。連続して1時間以上乗ってると首がもたないから、これまでSSは敬遠してたのだけど、1週間ほど乗ってみてわかった。
なんとかやりようで乗れる。身体の柔軟性のないリターンライダーがSSに乗るコツとでもいいますか、体得できたように思える。
乗車姿勢のイメージが大切。ハンドルバーにかける腕の荷重を極力なくすような姿勢、手放しで乗るような姿勢をイメージするとよい。そのためには腹筋背筋と腰筋そしてニーグリップで上半身をしっかりと立たせる。そうすると首にかかる負担をかなり減らすことができる。首のかわり腰に負担がくるのだけど、首に比べれば腰の筋肉の方がはるかに強靭だし、首のようにデリケートな神経が集中するわけでもないから、どちらをとるかといったら腰に頑張ってもらうのがよい。
腕がつっぱらないと肘に余裕ができるので、ハンドル一杯に切ってもきゅうくつにならないという利点もあります。
目線は上目づかいがいいですね。眼だけ上向ける。重要なのは信号待ちで必ずギアをNにいれて上体を正立させる。これだけでも負担は激減する。
つらくなったら休憩する。やはり長時間はきついです。このあたりは人それぞれなのでマイペースで。なのでグループツーリングは他の人のペースに無理して合わせる必要あるからちょっとつらいかも。
寝る前忘れずに筋肉のストレッチをすると疲労が次の日に残らない。
というのが結論です。なんでもやってみればできる、やってみないとわからないものだという当たり前の結論であった。
「CBRが世界一」などとつまらないこと書いてしまったが、書くからにはそれなりの理由がある。
ドカティ乗りの友人に言わせれば「こういうバイクはサーキットで乗るものですよ」ということで、それはまったくもって正しい、正論であるが、そうばかりとも言ってられない。なんといってもサーキット専用にバイク乗りするわけじゃないし、ナンバープレートついてるんだから公道でも楽しくのれなきゃ意味がない。
「楽しく」が重要な点ですね。その点CBRはとてもいい塩梅の回答を返してくれているように思う。そう、公道で走ってもかなり楽しいのだ。ちょっとしたコーナーや直線で「ああ、気持ちよい」と思える場面がたくさん感じられる。いやむしろそうでなきゃ乗ってもただの苦痛だから、バイク乗るのも嫌ンなっちゃう。
CBRはホンダらしくとてもバランスがよいのが美点。とくに車体の重量バランスは素晴らしい。前後左右の天秤のような正確なバランスをもって、ビシーーと止まっている。バランスしている範囲が広いというか、安定している範囲が広い。そして、ほんの僅かな入力を与えると車体はこれを察知し、さらにほんのわずかの瞬間の絶妙な遅れをもってピタッと挙動を変えてくれる。傾いてからはグーッと抵抗感をもって粘ってくれる。
この遅れと粘りがとても重要、ここがライダーにゆとりの時間を与えてくれるのだ。クリップを深く取ったふところの深いラインが自然ととれるようになる。
「遅れ」は他のホンダ車にもあるが、それぞれの車体の個性で味つけが異なる。CB1300はもっとずっと遅れの時間が長い。ひと呼吸おいてグラーっと傾く。CBRははるかに短い時間で傾くが、確実に遅れが体感できる。こういう味つけをきっちり使い分けてやっているのがホンダの技術力だなと思う。
ところで、こういった遅れの挙動はサーキットではむしろダルい動きだと思う。ちょっとした入力に機敏に反応する、極端にいえばもっとフラフラしてるほうがいいんだと思う。前述のドカティはそういう味つけだ。パタンと寝かすのがドカティらしさ。だけど、公道ではCBRの味つけが安心感と面白さのちょうどよいバランスとなるのだね。
あ、どっちが「良い・悪い」と言ってるのではないですよ。賢明な読者さんならおわかりと思いますが。
エンジンは素晴らしくなめらかでスルスルと回転上昇する。逆輸入車なのでフルパワーだから申し分ない。ただし低速トルク感はカワサキに比べるとちょっと弱い。これはホンダ車全般にいえることだと思う。
良くない点もないわけじゃない。この年式モデルの特性だと思うのだけど、インジェクションのツキがよくない。スロットル全閉にした後にスロットル開けるとわずかな瞬間の回転上昇の遅れが感じられる。燃料噴射してない時間がほんのちょっとばかり長いのだ。これはきっと安全マージンを見込んだ味つけなのだと思うが、どうせ安全を狙うならCVキャブのような自然にトロッとついてきてくれる感じであればとさらにいいと思う。
最近のZX14Rなどではこのあたりは大きく改善されているので、きっと最新モデルのCBRでも改善されているはずだと思う。
最後に、私にはとてもたいせつなことなのだが、CBRとても乗り易いので街乗りにもまったく問題ない。ZRXに乗っているのと同じような小回りがきく。渋滞路や裏道の取り回しでもとくに困ったことはなかった。ハンドル稼働域が大きいので普通に街乗りマシンとして使える。
いやいやこれは困った。ますます好きになってきたぞCBR。
ところで相棒ZRXちゃんはどうなっているのか??気になるかたもおられよう。
次回はそちらを報告いたします。
ケビン
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コメント
●すさん
すさんのセパハン回帰には大いに刺激受けました。師匠がおやりになるるからには弟子としては当然やらねばならないでしょう!(というのはおおげさですが)
仰る通りですね、無理せず休憩するのが一番よさそうです。首筋のストレッチをちょっとやるだけで効果大きいのも実感できました。
ZRXなかなか戻ってこないんですよ〜
投稿: ケビン | 2014年7月13日 (日) 08時41分
●HIROSさん
CBRはひろさんのZZRと比べると前後にコンパクトなので、乗車ポジションもハンドルが近いから多少なりとも楽ではありますね。R1やFazerなどのヤマハ車はさらに近い感じがします。
SSのよいところはいろいろありますが、最もいいのは「軽い」ことですね、おっしゃるとおり軽いのはもっとも重要な要素だと思います。わたしもそろそろ重いのは厳しいお年頃なので。
投稿: ケビン | 2014年7月13日 (日) 08時38分
昨年末に、ZZ-Rをセパハンにしちゃいまして、
身体、ちょいとキツいです(w
でも、ケビンさん同様、乗車姿勢をイロイロと試して、
大分長時間でも大丈夫になりました。
”頑張らないで、辛くなったら休憩しちゃう”
が、ワタシの結論だったりします(w
・・・でも・・しかし、CBRに乗ってるケビンさんは、やはり想像出来ないので、早く、ZRXに戻って頂きたいです。
投稿: す | 2014年7月12日 (土) 22時05分
CBRRは基本良く出来ていますよね
ZZRよりはるかに車体が小さく軽いので挙動が軽いですよね
私がZZRを降りたときにCBRRもR1も試乗して感じたのは同じSS姿勢なのにZZRよりかなり楽だと感じました
特にR1はコーナーでのハンドリングに余裕を感じました
流石ハンドリングbyYAMAHA
一瞬食指が伸びましたがTMAXに戻っちゃいましたよ
確かに動力性能は雲泥の差ですが
何しろ楽
一般的な速度帯では加速性能を除いたら絶対楽チン
魔法のカーペットみたいな乗り物です
多分下りの峠道ではSSでさえもかなわないと思いますよ
でも所詮スクーター
どうしてもギアチェンジを楽しみたくなるんですよ
だからツインの良いの無いかなぁ・・・なんです
とにかくこの歳になると
選択肢の最上級には「軽い」という事が必須なんです
ケビンさんの代車のCBRRは数年前の型ですよね
現行車はスリッパークラッチ等最新のパーツが組み込まれているはず
かなり進化していますよ
投稿: HIRO’S | 2014年7月12日 (土) 15時48分